月刊デラシネ通信 > その他の記事 > 弟・大島憲治の詩集刊行
私の弟は、詩人である。その弟大島憲治が、4冊目の詩集『荒野の夢』を出した。
若い頃は、金子光晴なんかはよく読んでいたが、どちらかというと、詩は苦手な方である。言葉をつきつめ、抽象的な世界をつくるというのが、どうもダメなのかもしれない。やはり自分は散文系なのだと思う。言葉と真正面に対峙するなんて、到底自分にはできないことだと思う、そんな過酷とも思えることに挑む詩人が、身内にいたわけだ。
大島憲治の詩はどこかノスタルジックである。どこかで見たような風景が突如現れたりして、びっくりするときがある。それは少年時代のノスタルジアといってもいいかもしれない。透明感ただようなかで、極彩色で塗られた風景、そんなものが妙になつかしく感じたりした。
今回はいつも私の本を装丁してもらっている西山孝司氏と、原稿を見てもらっている田邉道彦氏が、本づくりに加わっている。本づくりの達人が協力したことで、詩集という手触りが感じられる一冊になった。
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