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週刊デラシネ通信 今週のトピックス(2001.10.06)
『彷書月刊』9月号で、『デラシネ通信』が紹介されました

 9月号は、本業が忙しく当初予定していた原稿が何本も書けずじまいになってしまいました。それにも関わらず、このところ一日あたりのヒット数がまた増えはじめてきました。マスクマジシャンの時のように一時的に増えて、あとはさあっと潮が引くように減ってしまうのではなく、ずっとある一定数の人たちが読んでくれているような増え方なのです。これは、もしかしたら『彷書月刊』でデラシネ通信のことが紹介されたからではないかと思っています。
 たまたまデラシネショップで拙著を買っていただいた編集者の方が、作者がネットをつかって自著を販売するという視点から書いたエッセイのなかで、デラシネのことを紹介してくれました。
 渋い読書好きの方が読まれる『彷書月刊』の中で紹介されたこと自体、とても嬉しく光栄に思っているのですが、この文字だらけのデラシネ通信は、こうした読書好きの方に読まれたらいいなあと思っていただけに、発信する側と受け取る側との出会いの場をつくっていただいたことにとても感謝しています。

 ちょっとここで紹介されているところを引用します。
 (南陀楼綾繁『ぼくの書サイ徘徊録』の第3回目『「団子屋」開業のススメ』より)

「インターネット上には、これまで予想もしなかった、新しい情報の流通ルートが次々に生まれている。本の購入に絞っても、オンライン書店で発売前の新刊を予約したり、出版社のサイトで書店には並びにくい本を買うことができるようになった。そして、今回紹介するように、著者自身が著書を販売しているサイトもある。
 まず目に付いたのは、大島幹雄氏の「月刊デラシネ通信」(http://homepage2.nifty.com/deracine/)。大島氏は芸能プロモーターという仕事の傍ら、『シベリア漂流 玉井喜作の生涯』−新潮社)、『海を渡ったサーカス芸人 コスモポリタン沢田豊の生涯』−平凡社)などの著作を持つ。サイトでは、サーカスやロシアについてのエッセイ・研究・書評が月刊ぺースで掲載されていて、どの記事も読みゴタエがある。
 「デラシネショップ」を覗くと、大島氏の著作が並び、一冊ごとに内容紹介、目次が載っている。購入フォームに住所などを記入して送ると、数日後に本が届くしくみ(振込みは郵便振替)。ぼくは、すでに絶版になっていて新刊では手に入らない『サーカスと革命 道化師ラザレンコの生涯』(平凡社)と、自費出版の神彰『幻談義』を買った。後者は、大宅壮一から「赤い呼び屋」と称された人物のエッセイ。この本は、サイトで連載中の伝記『神彰 幻を追った男』とあわせて読むと興味深い。
 本が到着したお礼がてら、なぜ自著をオンラインで販売するのかを聞いてみた。
「出版元が断裁処分にするという本を、自分で引き取ったのですが、その処分に困って、それではサイトで販売しようと思ったのです。だから、苦肉の策なんです」と大島氏は云う。絶版になった本は、コレまでゾッキ本か古本でしか買えなかった。著者が自著の命を永らえさせ、読者に伝えていこうとするときに、インターネットは最適の手段だと云えよう」

 自分の書いた本が断裁処分になるというのはとてもいたたまれないものです。でもこうしてネットをつかって、この処分寸前のところで買い取った本を販売することで、またもうひとつの命を与えることができたことは、南陀楼綾繁氏がここで書かれている通りです。自分の手で、自分の本を希望する方に送り届けることが、どれだけいとおしく思われたことか。そして最近最初に出した本『サーカスと革命』がとうとう完売したのですが、自分の手で命を全うさせたような気がして、とても深い満足感を得ることもできました。
 今回こうしたかたちでデラシネ通信のことが紹介されたことで、ひとつの大きなエネルギーをもらったような気がします。南陀楼綾繁さんありがとうございました。
 またこれからもがんばります。


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