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カフェ・クマ−談話室 過去ログ

2002年6月

2002年6月28日 金曜日 1:12a.m. ダメじゃん小出ソロライブ『負け犬の遠吠え』Vol.3

前回は見れなかった小出のソロライブを見てくる。前回より客は減ったというが、ほぼ満員の盛況だった。
あたまは、W杯のネタで、政局にふりながら、濃い内容の時事ネタをもってきた。W杯だけのネタでやったほうが面白かったかもしれないが、ここのところは敢えて政局と結びつけてマニアックにもってきたのだろう。ただちょっと重たかったな。
北朝鮮をテーマパークに見立てた次のネタは、つくりこんであった。最後にあらかじめ客に配ってあった紅白の紙をつかって、マスゲームをさせるという発想はよかったが、展開がなかったのが惜しい。客を使うのだったら、もっと過激に突っ込んでもよかったかもしれない。
ライオンの縫いぐるみ(もちろん小泉)を患者にし、小泉の国会での答弁の録音をつかいながら、それに対して医者が診断していくというネタは面白かった。
ウルトラマンコスモスの主演俳優の逮捕にひっかけながら、ウルトラセブンが、コスモスに電話するというネタをあいだにはさみながら、おなじみのニュースの時間と天気予報にもっていった。この転換は良かったのではないだろうか。
ニュースと天気予報のポイントのひとつはスピード感なのだが、ニュースのときは、スピードがダウン気味だった。
最後の二千円札に扮したネタは秀抜だった。一回目の公演のプロジェクトXの鯨の陸あげネタの延長にあると思うのだが、使われない二千円札の哀感が、じんわり伝わりながら、二千円札がつくられたアホな背景も浮かび上がらす完成度が高い作品だった。時事ネタだけでなく、こうした戯画性は、小出の持ち味になっていくような気がする。
これを最後にもってきたところに、小出の成長を感じる。
今回は、かなり構成を気にしながらつくってきた。ネタのひとつひとつの面白さ、インパクトも大事だと思うのだが、それをどうつないでいくのか、それを意識的にやりはじめたことが見えた公演だった。それが一番の収穫だった。
テンションの高さで突っ走っていく小出もいいが、その時のテンションだけで左右されないものをつくっていくことが実は大事なことで、それが芸というものになっていくのだと思う。
隔月のソロライブを続けるなかで、確実に小出はなにかをつかみはじめている、そんな気にさせられた公演だった。
いい公演だった。


2002年6月27日 木曜日 0:14p.m. カバレットチッタ制作ノート8−マスコミまわり2

6月25日 野毛フラスコにて
産経新聞の取材を、野毛のフラスコで受ける。飲み仲間のひとりが、産経新聞の横浜支局に勤務しているので、記事掲載をお願いしたら、取材をしたいということになった。Fさんという若い女性の記者から結構長めの取材を受ける。
やはり最初に聞かれたことは、「キャバレー」という言葉について。
キャバレーというと、ピンサロの延長のようなイメージを抱いてしまうらしい。飲んだり、食べたりしながらショーを見る大人がくつろげる場所だったのが何故、ピンクのイメージになったのかということを聞かれるが、昔のキャバレーは、そんなにピンク色が強くなく、フルバンドがあって、ダンスフロアがあって、飲んだり、踊ったりしながらくつろげる場だったわけだ、そのくつろぎかたがかわってきたのではと答えておく。
このあとここで練習をしている王さんへのインタビュー、写真の選定をしてもらう。
Fさんは、この催し物については、かなり興味をもってくれたようだ。
この記事が出て、どれくらい切符が動くのだろう。


2002年6月26日 水曜日 2:35p.m. カバレットチッタ制作ノート7−マスコミまわり1

6月26日
新聞の記事にしてもらうため、マスコミ回りをする。
24日は、朝日新聞と共同通信社で旧知の学芸の記者に会って、世間話を交えながら、内容の説明をする。
朝日の記者に「カバレット」って、日本語に訳すと、どうなるわけと聞かれる。確かに自分たちは内輪で「カバレット」とか「キャバレー」とか言っているが、一般の人たちに言葉で説明する時、なんて言っていいか問題になる。音楽ありのダンスありの曲芸ありの、ごっちゃまぜのヴァラエティーショーですと答える。さらに今度は突っ込まれて「吉本のなんば花月もヴァラエティーショーとの違いは」という質問を受ける。いいところを突いてくる。「向こうは、しゃべくり中心、笑い中心だけど、カバレットは、身体表現が中心、映像も音楽もあるし、ビジュアルで楽しめるのが一番の違い」と答える。
マスコミの人たちと話をして、こうしたやりとりをすることが、制作側にとってもいい勉強になる。
今回は、それぞれのパフォーマーが演じている写真を何点用意してあるのだが、こちらが伝えたい「カバレット」という雰囲気は、一枚の写真だけだと伝わらない。限られた新聞のスペースで、写真を2枚使ってくれというのは無理な話だ。あのチラシの雰囲気を、写真一枚でどう伝えるかといのも今後の課題になる。
10年ほど前にディミトリーを招聘して公演をした時、クラウンパフォーマンスということでチラシをつくったり、プレスリリースをつくったのだが、「クラウンって何?」という説明をしなければならなかった。「クラウン」というと、トヨタの車しか思い浮かばなかったという時代である。
時間をかけながら、まず「カバレット」という言葉になじんでもらうこと、それが大事になる。

2002年6月20日 木曜日 5:21p.m. カバレットチッタ制作ノート6 会場での打合せ

6月19日 クラブチッタ
大分にいる時に、チッタのM氏から電話。ビデオブース使用の件で、早急に打合せをしたいとのこと。
VJコミックカットと一緒にチッタで打合せ。チッタサイドとしても映像とステージをからめてのショーをするのは初めてということもあり、ブースの使用、どのモニターをつかうか、回路の問題、さらには本番を撮影するかどうかなど、いろいろ疑問点がでてきたようだ。
担当同士で話し合ってもらう。
照明や音響、舞台つくり、さらには客席のつくりなどについて、早急に担当者レベルでの打合せが必要だ。
もうあまり時間がない。
M氏がチラシを絶賛してくれた。いままでキャバレーといってもイメージがわかなかったものが、だいぶ具体的になってきたと言ってくれた。
いずれにせよ集客が問題、なんとかしないと。
チッタ側は、きわめて協力的。費用的な面では、人件費がいちばんの問題。こちら側からどれだけ人間をだせるかを出したうえで、つきあわせをしていくことが必要。この人員の確保もしないといけない。
客席についても、30あるテーブルをどう配置するのか、そのレイアウトも考えなくてはならない。いよいよこれからは時間との勝負になる。
とりあえず近日中に舞台関係の打合せをすることにする。そのセッティングもしないといけない。

2002年6月15日 土曜日 10:42p.m. 警備が厳しすぎ−ワールドカップ雑感

大分でのワールドカップもいよいよ明日のセネガル対スゥエーデンの決勝リーグ一回戦で、終わる。いま参加させてもらっている市内2カ所でのイベント『KONNICHIWA FESTA』も明日で終了だ。イベント会場の方は、そんなにたくさんの人が押し寄せるという感じではないが、無理やりお金をかけて、やらされているというのではなく、全体的に手作りという感じがする。大分に来た外人サポーターをはじめとするゲストを迎え入れようとするもてなしの雰囲気に満ちている。
ただめざわりなのは、街をパトロールする警官の多さ、空港での警備の異常さ、これがフェスタというか、お祭りの雰囲気に水を差しているように思えてならない。
なにか起きたら困るというのは、わかるが、それにしても、警備の厳しさはちょっと異常ではないのだろうか。4年に一度の世界的なお祭りなのだから、もう少し警備体制を考えてもいいのではないだろうか。本質的な警備ではなく、数の多さでなんとかしようという、辻褄あわせの警備だから、うさん臭さがどうしてもつきまとう。
市民レベルで一生懸命交流をはかろうと、している時に、ポリスと書いた腕章をした警察官が、徒党を組んで街を偉そうに歩くのは、ほんとうに目障りだし、邪魔だ。
チェコのメンバーと一緒に空港に着いたときは、10人ぐらいの警察官に囲まれ、あれやこれや尋問を受けることになった。イベントに参加するパフォーマーだとわかっているのにもかかわらず、無用な質問をしてくる、あんたら暇にかこつけて、いい加減にしろよと言いたくなった。威圧するようなあの態度では、せっかくの手作りもてなしのムードをだいなしにしてしまうのではないだろうか。

2002年6月9日 日曜日 10:01a.m. カバレットチッタ制作ノート5 ミュージャンと打合せ

6月5日 plan B
出演するパフォーマーと、巻上さんと梅津さん、多田さんが、実質上初めて顔を合わせての打合せ。梅津さんと多田さんは横浜の公演を見ているので、話を進めるのが楽だった。
まずはパフォーマーたちがどんなことをして、どんな音楽を望んでいるかを話してもらい、それに対して梅津さんと巻上さんが、じゃーこれはクレズマー風でいこう、テクノ系でいこう、パフォーマーが使っている音楽をそのままやろうという感じで答えていく。パフォーマーも最初の頃は不安げだったが、的確な答えでかなり安心し、また期待も感じたと思う。
このあとだいだいの構成をつくっていく。ここでは梅津さんが、中心になって具体的な案をだしてくれ、それにあわせて、パフォーマーが意見を出すかたちで構成ができあがっていく。
じっさいにリハをするなかで、多少順番が変わってくることがあるだろうが、内容的には変化にとんでいて、いい感じなのではないだろうか。
和気あいあいと、意見やアイディアを出しながら、およそ3時間のミーティングが終わった。いいものができそうな手応えを感じさせる打合せだった。
あとは、公演の前日の9日にplanBで合同でリハをすることになった。制作側の課題はたくさんある。チケットを売ること、チラシをまくことの他に、今日の話を踏まえて会場側ときちんと打合せをしなくてはならないことがたくさんある。
照明と仕込の段取りをとりあえず、クリアーにしないといけない。

2002年6月6日 木曜日 1:30p.m. カバレットチッタ制作ノート4 チラシが出来た

6月4日
遅れに遅れていたチラシがやっと出来あがった。この制作に関してはplanBの斎藤氏が担当していた。今回は、いいものをつくろうということで、時間をかけてデザイナーの井原さんと打合せしながら制作した。いいものができあがった。A3サイズを二つ折にして、梅津さんの写真を大きくフィーチャーしてデザインしてある。パフォーマンスと音楽がミックスした感じがとても良く伝わっている。色もキャバレーぽくなっている。
ポスターとしてもつかえるのが味噌。
パフォーマンスものは口で説明するのが難しいので、ビジュアルでドーンと伝えるためには、チラシがなんといっても一番早い。
残された一カ月でこれをどう効果的に配るかが、この公演の成否を握っているといっていいかもしれない。
さっそくメンバーが折り込みやおきチラシの手配で動いてくれた。
こういう公演を見たいと思っている人たちの元にどうやって届けるか、当たり前のことだが、とても大事になる。
刷った枚数は一万枚。
さあ、いよいよこれからあと一カ月、このチラシを武器に動員にかからなければ。


2002年6月4日 火曜日 10:44p.m. サッカー漬けになっています

ワールドカップが始まって、5日目。結局地上波でやっている試合は、全部見てしまった。面白い。ドイツとサウジの試合の時は、さすがに途中寝てしまったが、あとは食い入るように見てしまっている。
ひとつはガチンコの面白さだ。予選とはいえ、気が抜けないから、防御一方ということはなく、各チームとも攻めにいっているから、なおのこと面白い。いままで0対0という試合はたしかなかったと思う。
これはやばい。オリンピックとか世界陸上は、1週間とか2週間なのだが、サッカーは一ヶ月の長丁場、もしかして、この一ヶ月なにもできなくなるかもしれない。
今日の日本は惜しかった。もう一歩のところだった。
ただ鈴木のゴールも稲本のゴールも、いままでのようにセットプレーからでもなく、前へ前へということから生まれた日本らしくないゴールで、見ていて気持ちよかった。ああいうひたむきさのなかからゴールが生まれると、今後につながるような気がする。
韓国も初勝利、いい試合だった。アグレシッブで、スピード感があった。実力的にもポーランドをかなりうわまっていた。
次はロシア戦。ロシアにもがんばってもらいたいし・・
しばらくはサッカー漬けになってしまいそうである。

2002年6月1日 土曜日 6:42p.m. 帰ってきた富岡駅の燕たち

昨日帰りに駅の構内で、また燕の巣ができているのを発見。「上につばめの巣があるので、糞に注意」という手書きの注意書きもあった。ということは、つばめたちが、再び巣作りをしたことになる。雛の姿は確認できなかったけど、彼らはまた出直したということだろう。
今日買い物に駅まで言ったとき、今度はボール箱の仮の宿が撤去されていたたばこ屋の軒下にも、巣ができているではないか!
びっくり。
わずか2、3日のことである。ここにも雛の姿を確認することはできなかったけど、ここでもまたやり直しということなのだろうか。
なんとなくうれしくなる。
また行き帰りの楽しみが増えた。




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