日時: 2004年1月15日午後7時40分から11時
会場: the B-Flat 赤坂
出演: 宮本大路 sax カポネ宮崎 gt 則武裕之 dr 大儀見元 per 高橋ゲタ夫
b 守屋純子 pf
いつも通訳をしてもらっている人からずっとしつこく見るように勧められたグループのライブを初めて見る。いやあ面白かった。「妖しくも美しい大人の音の玉手箱」というサブタイトルがついているが、まさになんでもありのコンサート、あっという間の2時間半だった。ジャズのことはあんまり知らないけど、それぞれの分野で活躍している一流ミュージシャンが集まったユニットらしい。
蝶野正洋風の風貌のバンマスのDAIROの進行のもと、スクランブルミュージック、ごったまぜのなんでもありの音楽を耳だけでなく、目でも楽しませてれる、エンターテイメントに徹した「まさに音楽の玉手箱」を存分に味わうことができた。ジャズがベースになっているのだが、そこはスクランブルミュージック、いろんなアレンジで、さまざまな音楽を聞かせてくれる。二曲目に演奏した、廃品回収の「不要になったラジオカセ、コンポはありませんか、こちらで無料にて引き取ります」という例の口上を、ハンドマイクでがなりたてながら、「手榴弾、地雷、弾道ミサイルはありませんか」という5年前につくったという「哀愁のバグダット」を聞いてのけぞってしまった。ロシアで公演したとき聴衆の誰一人として、この曲がなんだかわからなかったというロシア民謡の「一週間」、ベースのゲタ夫のなんともセクシーなボーカルの「情熱の花」、さらには演奏中のプレイヤーをパーカスの人がくすぐるといういたずらつきの「ケセラセラ」などなど、遊び心が満載なのだ。たしかに私好みのバンドであることは間違いない。
音楽のことはよくわからないが、ひとりひとりのプレイヤーはみんな力がある実力派プレイヤーなことは間違いない。こうしたベースがしっかりしているなかでの、遊び精神、いいなあ。
最後の曲が傑作だった。「スクランブルミュージックを提唱している僕たちは、やはりジャズをベースに活動していくつもりです」という前フリがあって、やはり最後はばっちりと決めたいと演奏したのが、カポネが歌うド演歌「足手まとい」。これは恒例らしいのだが、腸がねじれるくらいに笑ってしまった。このグループの洒落気の真骨頂を見たような気がした。
最後の方で演奏していた昭和前期のジャズの小曲(題名は忘れた)も胸に染みるいい曲だった。
こんな遊び心がもった人たちとどこかで一緒に仕事ができたらいいなあ。
バンマスのDAIROが出演するというアートスフィアでやる芝居『狂風記』も気になる。なんでもステージ上にサーカス風の円形舞台が登場するという。
またきっと聞きにいくだろう。
カバレットチッタが好きな人には絶対お勧めである。
彼らのライブ情報は、http://www.pinkbongo.comで。
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