月刊デラシネ通信 > ロシア > モスクワスクラップ帳 > 第12回
10月43号の「論拠と事実」誌は、モスクワ劇場襲撃事件一色となった。このチェチェン人によるモスクワ劇場襲撃人質事件特集した16ページの別刷も出ている。但しこれは、本誌の記事をそのまま特集版として組んだもの。
ここでは特に記事のタイトルだけをピックアップして紹介する。
事件のルポ、人質になった人たちのインタビューなどが中心になっているが、この事件の発端となった チェチェン問題、犯行グループにについては、あまり触れられていないような気がする。もしかしたら今後こうしたことを報じる記事がでるのかもしれないのが・・・・
とりあえずはタイトルだけを列挙する。
2002年10月26日に出された正式声明
人質解放作戦を図解
「気が狂いそうだった」
ガリーナ(38才)映画でしかテロリストを見ていなかった
レベジェフ(22才−ミュージカルでパーカッション演奏者)「私は死者のリストに入れられていた」
ザバロートヌィ(14才)プーチン自身が私を見舞ってくれた
人種宗教政治センター所長(エリツィンの補佐官をつとめていた)エミール・パインのコメント
44% 武力で除去する
39% 話し合い
13% 譲歩する
4 % 他のテロがおこらないように話し合いをやめる
1995年に起きたモスクワでの人質事件時の首相チェルノムィジン(現ウクライナのロシア大使)のコメント
テロリストたちの資金源について
「Jordan Times」(ヨルダン)の「テロリズムは、今日爆弾が落ちているところでまた起こるだろう」と題された記事の転載
「テロリストたちは非常に組織されており、厳格で気違いじみていた」(コブゾンの談話)
「襲撃につかわれたのはどんなガスだったのか」
「チェチェン−なにをすべき」(大統領への提言、著名人の見解)」
日本の報道で今回の政府の対応に対して80%近い国民が支持をしているというのを見た。この数字がものがたるものはなんなのだろう。今回の事件の本質は、チェチェンの独立問題があるわけで、それに対するアプローチが少ない気もする。たしかにそれを分析することよりも、事実関係を報道するので手一杯ということなのかもしれないが・・これから『論拠と事実』でこのチェチェン問題についてどんな論調で記事が展開されていくのか注目したい
連載目次へ | ![]() |
前へ | 次へ |