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【連載】モスクワスクラップ帳

第62回

2007年2月のモスクワの週刊誌『論拠と事実』からスクラップした記事。

2007年3月10号
 私たち相撲家はやさしい創造物よ
 イオシフ・スターリンの見知らぬ妻
 本当の「戦争と平和」
2007年3月11号
 ヒトラーの娘はひそかに南アフリカに運ばれていた
2007年3月12号
 ジャズは、ポップスのパパ
 スターとサーカス
 ヒトラーの黄金のために原爆はつくられた
2007年3月13号
 アリョシェニカは人間ではない
 アラスカをめぐるダンス
 なぜ日本人がロシアのチームのひとりとして出場したのか
 白鳥の湖
 読書コーナー(回想録)


 

2007年3月10号

私たち相撲家はやさしい創造物よ

相撲の世界チャンピオンエカテリーナ・ケイブのインタビュー。 彼女は体重150キロ、足のサイズは44サイズ。世界チャンピオンの賞金は2000ドルだった。

女相撲の世界でもロシアンパワーが進出しているということなのだろう。

イオシフ・スターリンの見知らぬ妻

スターリンには、もうひとりアンナ・ルビンシュタインという妻がいた。スターリンの死の直前に、アンナの娘と名乗る女性からマレンコフ宛に、死ぬ間際に一度でいいから会いたいという手紙が届けられる。ベリアとマレンコフは、アンナ・ルビンシュタインはスターリンの妻であると判断したという。 この手紙を初めて公開。

本当の「戦争と平和」

アメリカとイギリスで、1866年の日付が入ったトルストイの「戦争と平和」の別の草稿が見つかったというニュースが流れる。この草稿ではアンドレイとペーチャ・ロストフは生き残ることになっている。この真偽についてトルストイの子孫で、ヤースナ・ポーリャ博物館の館長は、あり得ないと否定。

 

2007年3月11号

ヒトラーの娘はひそかに南アフリカに運ばれていた

今度はイタリアのノンフィクション作家で「ヒトラー逃亡」という本を出しているパトリク・ベルサイードとのインタビューに成功。彼もまたヒトラーが生き残ったという論を展開している。

またしてもヒトラー生存説なのだが、どうもこうした根拠となっているのは南米に残されている資料のようだ。

 

2007年3月12号

ジャズは、ポップスのパパ

3月23・24日にチャイコフスキイコンサートホールで「ジャズコレクション」のコンサートを開く、ジャズピアニスト、ダニエル・クラメルのインタビュー。 ジャズは、エリートの音楽ではなく、大衆的なものであるという持論を披露。

チャイコフスキイホールで、ジャズコンサートを2日間というのもすごい。

スターとサーカス

4月1日テレビで各界のスターたちがサーカスに挑戦するというテレビが放映される。ミハルコフやホルキナたちがサーカス芸にチャレンジ。

アメリカ・ヨーロッパではこの手の番組はたくさんあるが、ロシアでも最近よくやるらしい。モスクワの友人に頼んで録画してもらっている。夏休みぐらいには手に入るはず。

ヒトラーの黄金のために原爆はつくられた

11号で紹介した記事に関連。「ヒトラー逃亡」の作家パトリク・ベルサイードの独占インタビュー。 ベルサイードは、ドイツや南アメリカの情報機関に残されていた機密書類を調査、それをもとに「ヒトラー逃亡」を書いた。この書類には第三帝国の指導者は、1945年4月に隠れることに成功したことを証明している。

 

2007年3月13号

アリョシェニカは人間ではない

以前「論拠と事実」で紹介された、1996年にチェリャビンスキイの愛称「アリョシェニカ」についての調査結果によると、これをくるんでいた布から判断して、地球のものではなく、エイリアンであることが判明した。

「モスクワスクラップ」でも紹介したことがあるので、この小さな記事が気になり、スクラップ。地球のものではないという根拠がいまひとつ説得力がないような気もするのだが、写真を見ると、なんとなくそれらしく感じるから不思議。

アラスカをめぐるダンス

140年前ロシアは、アメリカにアラスカを7200万ドルで売った。このときは外交の成果と評価された。 この交渉の裏舞台について。

ロシア外交の最大の失敗とされるアラスカ売却。これにレザーノフが支配人をつとめたことがある露米会社も当然のことながら関係していた。

なぜ日本人がロシアのチームのひとりとして出場したのか

先日行われたフィギュアの世界選手権には傷つけられた、これほどまでにロシアはなぜ弱くなったのか、しかもペアのロシア組の女性は日本人ではないかという読者の質問にたいして、かつてのオリンピックチャンピオンのタチアナ・ナフカが答える。いまは世代交代の時期にあたり、もう少し長い目で見てもらいたい。川口ユウコという日本人については、自分も小さい時からよく知っている。彼女はロシアが大好きで、言葉も文化もよく知っている。理解してもらいたいのは、フィギュアではパートナーを見つけるのは本当に難しいことなのです。

いまやフィギュアの世界は、日本がロシアにとって代わり王国となりつつある。こうした反発がおこるのも無理はないだろう。しかしこの川口という日本人については、あまり報道されていないと思うが、ちょっと気になる。

白鳥の湖

4月5・6・7・8日と、国立クレムリン宮殿で、ユニークな中国のアクロバットダンス『白鳥の湖』が公演される。

日本でも去年夏上演され話題になり、今年も公演されることになっている「白鳥の湖」だが、ロシアにも進出していたわけだ。

読書コーナー(回想録)

ディミトリー・リハチョフ「回想」
 知識人を代表する著者の幼年時代、青春時代、学者仲間との交流、時の権力者たちとの交流などについて振り返る。
ニコライ・カラチェツォフ「アヴォシ」
 友人や先生の回想、いかにして芝居が有名になっていたかなどを振り返る。

リハチョフの回想録は、日本でも翻訳されないのだろうか。


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