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【連載】モスクワスクラップ帳

第68回

2007年12月のモスクワの週刊誌『論拠と事実』からスクラップした記事。

2007年12月48号
 本当のスターたちは消えない
 アルタイで地下世界の入り口を発見
2007年12月49号
 ロストロポーヴッチのチェロは誰に譲られるのか?
 妹はダイヤモンドは持っていなかった
 海の中では私はロシアの農夫でしかない
2007年12月50号
 これがずるい雪男だ
 カザフスタンがヨーロッパに


 

2007年12月48号

本当のスターたちは消えない

アフタラジオ主催「ディスコテック80年代」という国際ミュージックフェスティバルが、2万6千人集めて行われた。80年代のディスコミュージックのスターたちにまじって、プガチョーワも出演した。

日本ではちょっと考えられないようなイベントかも。

アルタイで地下世界の入り口を発見

ムラダシェフの探検隊は、モンゴルとアルタイ地区の調査探険を行った。アルタイに地下世界があったという伝説が、事実であったことをつきとめる。ムラダシェフのインタビュー記事。

イースター島から、自国アルタイの探険へ。去年読んでいた「興亡の世界史」の遊牧民の世界で、アルタイの考古学遺産のことがでていたので、ちょっと興味をもったのだが、いつものように荒唐無稽なほうへ話は進む。

 

2007年12月49号

ロストロポーヴッチのチェロは誰に譲られるのか?

読者の質問に、娘のエレーナが答える。父の死が突然だったため、まだそんなことまで頭がめぐらないというのが事実。確かに彼は「ディポルト」と「ストリオーニ」という名器を持っている。いまはふたつともスイスに保管されている。

どうしてこうロシア人は亡くなった人の遺産とかにこんなまでも興味をもつのだろう。まだ悲しみのさなかにいるはずのロストロポーヴッチ家の人はよく真摯に答えているものだと思う。ロストロポーヴッチの死をなにか矮小化させる意図があるのではないかと勘繰ってしまう。

妹はダイヤモンドは持っていなかった

莫大な遺産を息子に残したナターリア・ドゥーロワは古いダイヤモンドを持っていたという話を聞いたことがあるが、それも息子がもらったのだろうかという読者からの質問に、弟のユーリイ・ドゥーロフが、姉はそのようなダイヤは持っていなかったと答える。

これもまた人の遺産である。しかしナターリア・ドゥーロフが亡くなっていたというのは知らなかった。私のサーカス学の先生であるスラフスキイを紹介してくれたのはナターリアおばちゃんだった。彼女の動物劇場にも何度も行ったものである。ロシアの体臭を感じさせられるおばちゃんだった。

海の中では私はロシアの農夫でしかない

世界一周を3回、同時に両極とエベレストを征服した56才の探検家フョードル・カニューホフは、現在南極レースに参加している。厳しい南半球の航海中のカニューホフに電話でインタビュー。

このところこうした冒険にチャレンジしている人たちの記事がよく出ている。スポンサー付きなのであろうが、こんなところにも、いまのリッチなロシアの一面が見えるといえるかもしれない。

 

2007年12月50号

これがずるい雪男だ

いろいろな名称で呼ばれている雪男の存在について、最近地球ではなく他の天体の生き物ではないかという説がでている。これについてイーゴリ・ブルツェビイのインタビュー。彼の説によると地球上にいま何千もの雪男が存在しているという。

「論拠と事実」が得意とするジャンル。ブルツェビイ氏は、記者のどうして雪男は捕獲できないのかという質問に対して、人間がもっていない能力をもっているからだと答えるのだが。自分はいても不思議はないと思う。特にシベリアから脱獄して、インドまで歩いた冒険を書いた『大脱出記』で、雪男を目撃した記事を読んでから、その思いを強くしている。

カザフスタンがヨーロッパに

マドリッドで開催されていたヨーロッパ安全保障協力機構会議で、アメリカは、2010年からカザフスタンを議長国とすることを提案した。

カザフスタンの世界での発言力、存在感はますます増している。


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