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デスク大野の更新日誌&エトセトラ

2004年11月・12月分

2004.12.18

金倉孝子の部屋「タイムィール半島、ドゥジンカ市からハータンガ村」をアップしました。
ずいぶん前にあずかっていたのですが、遅くなってごめんなさい。
今回もしょっぱなからドキドキする展開です! 世界最北の町への道なき道を、進め、金倉さーん!!

2004.11.25

もうひとつの「虚業なれり」物語「第5回 「虚業成れり」の恩人−木原啓允へ」をアップしました。

 唐十郎「泥人魚」を本屋で偶然目にし、長らく唐の文体に接してないなーと思い購入しました。
 結果、一晩で唐マジックに絡めとられ。ひー、紅テント見たいー。と思ったら、すでに秋公演が終わっており。神様のバカ。
 声に出して読みたい日本語、ナンバーワンです。でもできれば、唐十郎の声で。

2004.11.08

「大島憲治の詩集刊行」をアップしました。

 昨日、久々に舞台を見ました。ダンス・エレマン「上海異人娼館」。寺山修司が「O嬢の物語」を翻案したものを宇野亜喜良がダンスに仕立て直したもの。娼館の女主人に緒川たまき、桜(おお)嬢にバイオリニストの川井郁子、そのほかは皆ダンサーという顔ぶれ。あっ、ナレーションは吉田日出子と蘭妖子でした。会場は東京キネマ倶楽部。もうこれは行くしか、と、万難を排して千秋楽に駆け込んで当日券で。おめかしした美術系・ダンサー系の方々が集う中、徹夜明けのムサいまま乗り込んじゃってすみませんねえ。もっとも、徹夜明けじゃなくたってムサい格好は変わりませんが。
 さて、その舞台ですが、何はなくとも、川井郁子嬢でした。ステファン卿が娼館に連れてきたときはバイオリンケースを抱えておどおどしているのですが、バイオリンを弾き始めるとその演奏もさることながら、目の光の強いこと強いこと。あのその、いろいろあって、劇中なかばに差し掛かる頃には、なみいるダンサーたちや緒川たまき嬢などよりもよっぽど妖艶になってました。
 登場人物は全員ひとこともしゃべらない(しゃべるのはナレーションだけ)、という趣向が勝因でしょう。その分緒川たまき嬢はポージングしかすることなくてワリを食ってしまいましたが。でも、たまきちゃんはドレスの胸をググッと下げて、大サービスしてましたよ!カーテンコールでおじぎをするときにはドキドキしてしまいましたよ!
 川井郁子に話を戻すと、美人だし、バイオリンを弾く以外でもきれいな動きで情感を表現するし、たいへんよろしゅうございました。眼福、眼福。難点をあげるなら、バイオリンを弾きだすと、少々目が強くなりすぎることでしょうか。ほとんど勝ち誇ったように見えまして、どうかすると求められている役柄よりも「強い女」になってしまったようでした。ま、そこがよかったんですけど。
 あと、バイオリンを他の人には絶対に触らせない、というのにもドキドキしました。舞台上でバイオリンが必要/不要になるたびに、ワゴンを持った下女(?)役の人が現れて、川井郁子が自らその中から取り出す/中に置く、という段取りを幾度となく見せられると、「はー、ありゃよっぽど高いもんなんだろうなー、触っちゃったらこっぴどく叱られるんだろうなー」といらんシンパイが喚起されるのでありました。
 で、肝心のダンスなのですが(忘れてましたがこれはダンス公演です)、どうもよく分かりませんでした。川井郁子嬢の弾くヨロコビ、緒川たまき嬢の演ずるヨロコビに比して、ダンサーの方々の踊るヨロコビというものがあまり見えないんですよ。ダンスというのはそういうものなんでしょうか。もしかして、現代美術と同じで、ダンスの文脈を知らないと楽しめないのかしら。
 ただ、会場の狭さ・見にくさというのが観客を冷やしていて、特にコミカルな役を演じていたダンサーにとっては不運だったというのはあったでしょう。ちょいと席を作りすぎましたね。
 何にせよ、面白いものを見ました。いや、バイオリンというのは、なんとも抒情的な音で鳴りますな!

 なんか、今日は文体がヘン。


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