月刊デラシネ通信 > サーカス&パフォーマンス > パフォーマンス > カバレット・チッタ制作ノート > Vol.2 プログラム&評
プログラム
評 嶋田丈裕さん:『カバレット・チッタ Vol.2』 (リンク)
評 安田さん:カバレットチッタVOL2感想
評 安部保範(チャン助)さん:【報告】カバレット・サーカス第二弾
評 Oさん:カバチッタ感想です
評 デスク大野
評 横浜の相田さん:カバチッタの感想です
評 かものはしさん:『カバレット・チッタ Vol.2』 (リンク)
評 『カバレット・チッタ』評(『東京かわら版』3月号から転載)
KABARETT CITTA Vol.2 プログラム 写真付プログラム(40.3KB)(別ウィンドウで開きます) |
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日時 | 2003年2月7日(金)午後7時半開演(午後6時半開場) | |
出演 | パフォーマー: TATU Magic(マイム・イリュージョン フィンランド) サブリミット(アクロバット・パフォーマンス) ふくろこうじ+神山一朗+Kaja(クラフトマン・パフォーマンス) 立川笑志(落語) VJコミックカット(映像パフォーマンス) ハトガー(クラウン モンゴル) 風間るり子(別名黒沢美香 無国籍スーパー民族舞踊) 水中三姉妹(パンクマイム) 元気いいぞう(NHK 日本ユーモア歌手協会会長) アッパーホッパーアンサンブル(スティルツ・パフォーマンス) マーチングだるま団(サイケちんどん) |
カバチッタスペシャル・バンド: こまっちゃクレズマ 梅津和時(sax,cl) 多田葉子(sax) 張紅陽(acc) 関島岳郎(tuba) 松井亜由美(vl) +新井田耕造(ds) 巻上公一(vo,テルミン,口琴) 石橋幸(ロシア歌謡・俗謡歌手) 翠川敬基(cello) |
客入れ マーチングダルマ団、アッパーホッパーアンサンブル、クラフトメン 客席、入り口附近で回遊パフォーマンス |
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第一部 | ||||
0 | 開演(MC無し) | 7分 | ||
客席後ろから「月下の一群」で登場、ステージ上で巻上公一指揮でコンダクション(頭の音3つぐらいは決めておく) ― 「デヴィット・シュピーレ」 | ||||
1 | ガッツ | ローラーバランス | 5分 | |
演奏:こまっちゃクレズマ | ||||
@ | 転換としてのVJコミック映像 | 30秒 | ||
2 | 巻上公一コーナー | 10分 | ||
インプロ、ホーメイ、テルミン、トゥバの歌etc | ||||
3 | クラフトメン | マイム | <MD> | 10分 |
4 | 元気いいぞう | 戯れ歌 | <本人のギター> | 10分 |
5 | 風間るりこ | ダンス | 10分 | |
「バレー・ダンサー」Sax Solo「バルカン・コチャック」を予定 | ||||
6 | Kaja | ジャグリング | <MD> | 7分 |
@ | 転換としてのVJコミック映像 | 30秒 | ||
7 | 立川笑志 | 落語「あたま山」 | 15分 | |
酒盛り1分「YaYa」、船遊び1分「ホフマンの舟歌」 | ||||
8 | ハトガー | クラウン芸 | <MD> | 6分 |
休憩 マーチングダルマ団、アッパーホッパーアンサンブル、クラフトメン 客席、入り口附近で回遊パフォーマンス |
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第二部 | ||||
9 | こまっちゃクレズマ+巻上公一 | 15分 | ||
「ゲーナの歌」「チガニー・ヒムヌス」「メセティーナ」「ミニー・ザ・ムーチャー」 | ||||
10 | サブリミット | ハンドアクロバット | <MD> | 5分 |
11 | TATU | マジック | <MD> | 7分 |
@ | 転換としてのVJコミック映像 | 30秒 | ||
12 | 石橋幸 | ロシア俗謡 | 15分 | |
13 | 水中三姉妹 | パンクマイム | <MD> | 7分 |
14 | VJコミックカット | 7分 | ||
巻上公一インプロとのセッション | ||||
15 | ようこ | 空中ブランコ | 5分 | |
こまっちゃクレズマ 「デル・シュテュール・ブルガー」 | ||||
16 | フィナーレ | 5分 | ||
「デル・シュテュール・ブルガー」から繋がって、皆で歌えそうで、テンポの良いロシア民謡『悲しき天使』インスト⇒石橋(ロシア語)⇒巻上(日本語)⇒全員、何回もリフレイン |
[スタッフ] 舞台監督:間山照幸 照明:宮野和夫 宣伝美術:井原靖章 制作:丸山好信(CLUB CITTA'チーフプロデューサー)、大島幹雄(ACC)、斎藤朋(DeX) 協力:ACC、planB |
2002.02.07
(嶋田丈裕さんのホームページ「TFJ's Sidewalk Cafe」はこちら)
2002年02月11日
カバレットチッタVOL2感想 |
前回同様、音楽が素晴らしかった。特に巻上公一さんとこまちゃクレズマバンド。 それとマーチングだるま団も、特筆すべき良い効果だと思います。 パフォーマンスではクラフトマンが雰囲気にあっていて、サブリミットさんが魅せたなという印象です。 他の方々も思い出してみれば、ああアレはこんな感じで面白かったなと、それらがあんなに居たなんて凄い豪華だよなぁと、そう感じます。 逆に悪い印象はVJコミックカットさん。(名前だったんですね、『VJコミックカット』って)。途中途中で雰囲気を崩した気がします。また特に最後、巻上公一さんとの絡み。巻上さんの音に酔いたいけれど、オチになりそうだし画面も集中して追わなければ行けなくて、うまく楽しめませんでした。 そうそう、最後の路上での仕掛けは笑いましたよ。カバレットチッタらしいと思いました。 全体的に気になったのは、音楽の時間が長く、パフォーマンスの時間が短かったように感じました。また席から気軽に立って料理やお酒を頼む雰囲気ではなかったです。 でもやはり、これだけのものを見られる機会があって良かったと、楽しかったし面白かったと、そう思います。 今回は何人ほど入場したのでしょうか。次回は黒字になるようにできるかぎり友人に紹介します。 |
2003.02.08 ジャグリングメールリストからの転載
(改行を変更しました)
(改行を変更しました)
カバチッタ感想です |
今回は、盛りだくさんで、最後はちょっと疲れていました。一つ一つはとても個性的、見応えがあったのですが、全体で何をしたかったのか、ちょっとわからないうちに終わりました。多分、何をしようと言うものもなかったのだと思いますが。おもちゃ箱いっぱいの中身を、ザーッと開けたけれど、ちょっとどうしよう、っていうかんじかなぁ。欲張りすぎた感じです。あと、演目と演目の間があいていて、盛り上がった気持ちが途切れてしまったようにも思いました。でも、だから、次回に期待しています。 やはり、生の音楽が良いですね。落語があったり、映像パフォーマンスがあったり、今、そして日本だからできるカバレットが期待できそうです。私はカバレットというと、20年代のベルリンを想像しますが、川崎では今の時代の日本のカバレットを期待します。 チネチッタ周辺がきれいになって、ちょうどベルリンのカメレオンがある界隈(ハーキッシャー・ホーフ)に雰囲気が似てきた感じで、フフフ、でした。ベルリンの方がもっと小さくて雑然としていますが・・・。 なおブレヒトソングの会、又はカバレットソングの会が6月頃開催される予定とのことです。ドイツのカバレットの雰囲気が楽しめるかもしれません。ぜひ見に来てください。 |
2003.02.09
巻上公一氏、いいですね!一人遊びの王者。 氏に限らず全般に、私が面白かったところは「肉体の解放」というか、「肉の悦び」というか、 ともかく官能に訴える部分だったように思いました。 こまっちゃクレズマーの自在さとか、巻上氏の発声遊戯(なんて言うんでしょう?)とか、元気いいぞう氏の気持ちよさげな歌声とか、風間るり子嬢のくねりとか、水中三姉妹もたのしそうだったなぁ! 自らのパフォーマンスと、空間からのフィードバックを楽しんでいる人たち!ひゃー。私も楽しー! なんかこう、ぐわぁーっと持っていかれる感じ。 欲を言えば、もっと熱気(主に実際の温度)があるとよかったです。 クーラーを切るか、お客さんを増やすか、舞台を広げるか。 真ん中に花道とかあってもいいのに。 客席上手に大きめのサブステージとか。 あと、なんかもっとザワザワしててほしいと思いました。 カッチリ暗転する必要なんてないのでは? 基本的にダラダラ進行して、ときどきビッとなるっていうのがいいなぁ。 ダラダラしたらビッとはならないかなぁ。 こまっちゃクレズマーがいれば、何でもできそうな気がするんだけどなぁ。 そのほか、思ったこと。 落語は、まだまだ可能性がありそうですね。 「あたま山」は好きな演目ですが季節感がちょっと。 チェブラーシカ「わにのゲーナの歌」の訳詞はもちょっとなんとかなりませぬか。 「アンダーグラウンド」の歌!いい!サントラ買わなきゃ! 水中三姉妹、もっと見たかったなー。食い足りない。 石橋さんは、解説なくていいのにと思いました。考えるな!感じろ!ってことで。 あと、ええと、ええと、・・・細かいことはもう忘れた! とにかく楽しい時間をありがとうございました! |
2003.02.14
(改行を変更しました)
カバチッタの感想です |
はじめまして。 遅ればせながら、 素人の感想もひとつお聞きください。 パンフレットに興味を引かれ、カバチッタを見に行きました。 新生チッタシティを歩けば、まるでバーチャルリアリティの世界に迷い込んだようだ。 心細い気持ちをうち払ってくれる、はれやかなチンドンの音に導かれて会場へ。 ロビーで足長族とすれ違えば、祝祭気分はいやおうにも盛り上がる。 バーコーナーのすぐ脇にもうけられた喫煙スペースでビールを飲み始めたらちょうど開演時刻。 学生時代にヒカシューとして聞いていた巻上氏のパフォーマンスの素晴らしさにはびっくり。聞き惚れた。 梅津氏率いるこまっちゃクレズマーの演奏も心地よい。踊りたくなってしまう。 そのライブをベースにして繰り広げられるマイムパフォーマンス、ジャグリング、マジック、アクロバットそしてコミックソング。 どれもが面白い。 最近こういった生の芸に、ふれる機会を持たなかった事を反省。 人生損してきてたかも、しかし今宵の発見に得した気分。 幕間に登場するVJコミックカットの映像パフォーマンスがまた最高。 そのたびに大いに笑わせてもらった。 立川談志の落語、風間るりこのダンス、サックスとの掛け合い。 バラエティー豊かで濃い内容のショーに、つい酒もすすみ、つまみもいただく。 結局その場所で立ったままほとんどの時間を過ごしたが、 気兼ねなくエンジョイ出来て、自分にとっては最良の席であった。 ちょっと遠くではわかりにくかったのが白いパンツ一丁で演じらたtatuの不思議マジック。コンテンポラリーなダンスマイムのような動きと雰囲気は面白く楽しめたが、手品自体に対する驚きのようなものは無かった。もう一度近くで見てみたい。 空中ブランコでは子供に戻って単純に盛り上がり、石橋幸のロシア歌謡は漂う香りのようなものに酔わされた。 そして映像パフォーマンスの落ちの部分は、巻上氏とのセッションで魅せてくれるというなかなかの展開。 すっかり堪能して会場をでた道すがらにも、最後の仕掛けが用意してあった。 まるでグリコのおまけのようだ。 チープだがすごく愉快、もうひと笑い。 急に誘って同行させた友人は、 『今日はこんな面白いもんに誘ってくれてありがとう』 と言って、帰り道にまた一杯ご馳走してくれた。 ◎ 僕は「違いのわかる」客では無いけど、当夜もっとも楽しんだ ◎ 客のひとりであるコトには自信が有りますよ。 ◎ 同行した飲んだくれオールドバイク野郎も、 ◎ 「これっていつもやってんのか?」などと聞いてきまして、 ◎ 次は彼女を連れてくる予定を早くも立てているようでした。 |
2003.03.03
(かものはしさんのホームページ「大道芸日和(仮)」はこちら)
2003.04.09
知る人ぞ知る濃い中身の演芸月刊誌『東京かわら版』3月号に、「カバレット・チッタ」の観覧評が掲載されました。活字としてカバチッタの本格的な評がでたのは、これがはじめでと言っていいのではないでしょうか?
評者のQ氏と、『東京かわら版』の承諾を得ましたので、ここにこの評を転載させてもらいます。
■ カバレット・チッタVol.2 ■ 平成15年2月7日 川崎・クラブチッタ |
「キャバレーの親父になりたい」と、かねてから言っていたサーカス研究家の大島幹雄さんが、自らの夢を実現すべくプロデュースしたイヴェントです。「カバレット」とはもちろん「キャバレー」のこと。初回の好評を受けて今回が二度目の公演になります。 会場は川崎駅前の一画に出現したクラブチッタ。新しいデートスポットにもなっているらしいのですが、映画の書き割りのような、あるいは、浦安の某遊園地のような薄っぺらい街並みは、文化の厚みというものを少しも感じさせず、周囲からも浮き上がっていて居心地が悪いなア…と思っていたら、出演者の一人・巻上公一さんも、「地に足がついていない感じ」とステージで言っていて、意を強くしました。 玉石混清、実に多彩な種類の芸能・パフォーマンスが入れ替わり立ち替わり登場するごった煮的世界。客席スペースのうち前四割ほどは、丸テーブルになっていて、キャバレーの雰囲気を再現しています。後方が椅子席。飲食自由で売店もあります。観客は入場料のほかに飲物代五〇〇円を入口で取られます。 開演前、会場のあちこちを修理している作業員がいると思うとこれが、ふくろこうじ.神山一朗・Kajaによるサイレントパフォーマンスだったり、身長三メートルの大男が闊歩していたり、「芸」は開演から終演までの間の舞台の上にある、という常識に反して、どこに「芸」が転がっているのかわかりません。油断できませんね。 サックスの梅津和時さん率いるこまっちゃクレズマの演奏が、いわば狂言回しで、終始活躍します。この演奏の質の良さが、この会の品質を保証しています。 出演者の全てを記すことはできないので、以下、ほんの一部だけ。 こまっちゃクレズマと一体になったりしながら、独自の音楽パフォーマンスを展開したのが巻上公一さん。即興演奏の指揮、ホーミーからオカマ声まで幅広い声を駆使した歌、テルミン、口琴と、素晴らしいのひとこと。ただし、全体の中でみるとやや巻上さんに頼りすぎの面がなきにしもあらず。毎回出てもらう代わりにもう少し出番を少なくした方がよいのではないでしょうか。 この日主役の座を勝ち取ったのは、アクロバットの男女コンビ・サブリミットでした。三度ほど登場して、お二人(ようこさん・ガッツさん)がそれぞれの見せ場を作りました。中でも舞踊のような動きの中にさまざまな技を盛り込んだパフォーマンスは、お二人の鍛え抜かれた身体と技がこの上なく美しく表現されて、感動しました。 洋モノの芸に混じって落語も登場。立川笑志さんは、こまっちゃクレズマによる鳴物人りの「あたま山」を一席。こういう文脈の中で見る落語はとても新鮮でした。改めて感じたのは、落語という形式は、こういう中に置かれても少しも崩れない、ということでした。落語家が語り始めると、もう会場が落語の雰囲気になってしまうんです。落語は強い。いっそのこと「芝浜」みたいな人情噺をやっても良かつたかも知れない、とさえ思いました。 元気いいぞうさんも登場。はじめに「毛糸の地引網」で大いに受け、「エリック・クラプトン」というバカパカしいナンバーもハマりました。そして、次の「オナニー」で会場を見事に引かせました。もちろん例によって局所的には肩をふるわせて笑っている人もいましたが。なんでも大島さんからこの曲をやるように要請されたのだとか。しかし、これでこそ元気いいぞうです。ぼくは密かに快哉を叫びました。 終演は一一時近くになっていたでしょうか。大きなお世話ですが、どう考えても利益が出ていないでしょう。実に賛沢な会です。次回は六月の予定だそうです。(Q) |
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