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カフェ・クマ−談話室 過去ログ

2003年1月

2003年1月28日 火曜日 1:31a.m. カハチッタ制作ノート 構成が決まるまで

カバレットチッタの大きなポイントは、構成である。さまざまなジャンルの人たちが、この企画に参画する、このことがとても大事なことなのだが、これをどう組み立てるのか、これも大事なことだ。演出家が欲しいと思ったことも何度かあった。誰がこの構成をするのかで色が決まるということもある。
僕たちがやりたいカバレットは、誰かに色を決めさせることではなく、自分たちでカンバスに色を塗ることがまず最初なのだと思う。
カバレットにとって大事なことは、遊び精神だと思う。客も演じる側も、徹底的に遊べることだとだと思う。
ミュージャンはバックバンドになってもちっとも面白くないはずだ。かけあいの妙があればこそ、その場かぎりでの出会いの妙があってこそ、やって面白かったということになる。
パフォーマーも、枠を越えなければならない。お仕事ではないのだから、ふだんやれないことをやればいい。思い切り自己主張の場にすればいいと思う。
ということで、だいたいの構成が決まった。
演出家が構図を決めるのではなく、まず参加するアーティストが自分が塗りたい色をパレットから選び、それをカンパスに描いてみる。そこからはじめたい。
色を塗ってみて、そこで色が混じり合える場がつくることからはじめたい。もちろんそこにはお客さんが絵筆をもって色を塗るということもアリだと思う。
自分のなかでは、今回の大きなテーマは、参加するアーティストが楽しめること。そしてその楽しみをお客さんに伝えることだと思っている。キチンとした構成でなく、ぐちゃぐちゃの構成のなかで、両者が楽しめること、それができたらいいなあと思っている。
二回目なのだから、まだまだめげてはいられない。楽しいショーにしたい。

2003年1月17日 金曜日 0:18p.m. カバチッタ制作ノート 新宿ガリガンチュアにて

今回梅津さんのたっての希望で出演してもらうことになったロシア民謡・俗謡歌手石橋幸さんがやっているお店、新宿・ゴールデン街の「ガリガンチュア」に行く。この店のことも、石橋さんのことも前から知っていたし、とても興味があったのだが、お会いするのは初めて。
石橋さんは年末に紀伊国屋ホールでリサイタルをやったのだが、なんと公演の前日に肋骨を骨折するという大アクシデントに見舞われてしまう。呼吸するのもたいへんななかで、公演をしてしまったという、噂通りの豪傑であった。
梅津さんたちも今月お店に顔をだして、いろいろ話をしたとのこと。ロシアに傾いている梅津さんとロシアの歌を長年うたい続けてきた石橋さんのセッションは、今回のカバチッタのひとつのおおきな見どころになるだろう。
毎月最終土曜日には、西荻の音や金時でライブをやっているとのこと。今月は見に行けないが、いつかいって聴いてみたい。
2時間近く今回のことだけでなく、いろいろなことについて話をしたが、どれもこれも楽しい話だった。久しぶりにロシアの話題でじっくりと話すことができたので、なんか懐かしい感じさえした。
「いまの日本はおかしいよね、テレビがすべてになっているでしょう。カバレットチッタのような試みが、ひとつ風穴を開けるようになればいいよね」という話をしてくれたが、そうなりたいものだ。
お店の常連客のなかにはママがでるというだけで、ぴあでチケットを買った人もいるとのこと。ゴールデン街で少し話題になってくれると、またちがったお客さんがきてくれ、楽しい公演になるかもしれない。

2003年1月16日 木曜日 2:48p.m. カバレットチッタ制作ノート こまちゃクレズマーライブを見る

1月15日高円寺のジロキチジロキチで、こまちゃの今年最初のライブがあった。チラシやチケットを届けがたら、20年ぶりにジロキチへ行く。考えてみれば、こまっちゃだけのライブを見るのは初めて。15分間の休憩をはさみ、たっぷりと2時間のステージ。こまちゃのクレズマーを堪能させてもらった。最初は正月だからということでメンバーのオリジナル曲を中心にスローな曲から始まる。三曲目のバルカンなんとかという曲から、アップテンポのクレズマーで、聴いている自分の体が自然に動いてくる。こうしたライブだと、ソロパートのアドリブが聴けるのがいい。このグループ、メンバーひとりひとりが実に個性豊かなことがわかる。関島さんのチューバ、新井田さんのドラムなど存在感がすごくある。途中に入る梅津さんを中心としたトークも楽しい。
今日のライブで新曲として披露されたのが「チェブラーシカ」の中の二曲。最初にやった「ゲーナの歌」は、いい曲だった。これはサーカスのクラウンのレプリーズにもよく使われている曲で、サーカスぽっい曲。通して聴いてみると、こまちゃのやっている音楽そのものが、カバレットの世界にぴったりということがよくわかる。
やはりこまちゃは、カバチッタにはかかせない存在だ。
音楽はそんなめちゃめちゃ好きというわけではないが、こうしてこまっちゃの音楽を聴いていると、自分にはこうした音楽が一番あっているような気がする。自然に身体が動いてきて、それと初めて聞く曲なのに、何故か一緒に口ずさみたくなるような不思議なノスタルジーがある。たぶんそれが合っているのだろうなあ。
梅津さんにとってはこのライブが今年初の東京でのライブだったとのこと。合間にカバチッタの宣伝もしてくれた。
公演後梅津さんとちらっ話している時に、なんかロシアの方に少しずつ傾いているんですよねと言っていたが、その意味でも、今回はロシア歌謡を歌ってくれる石橋幸さんとの共演は楽しみでもある。
今回は集客ももちろん大事だが、内容がもっと大事。構成をどうするか、いろいろプランが浮かんでくる。
今度カバチッタの一週間後に、江古田でクレズマー祭りがあるとのこと、大阪のバンドとの共演とのことだが、これも見に行きたい。

2003年1月10日 金曜日 11:57p.m. カバチッタ制作ノート チラシが出来た

公演まであと1ヶ月を切っているのだが、やっとチラシが完成。メンバーが決まるのが遅いので、どうしても押してしまう。でも今回も前回に劣らずいいチラシができた。デザイナーは前回のチラシと同じ井原さん。前回よりももっとごった煮という感じがでているのではないだろうか。井原さんは前回の公演を見ているので、イメージがずいぶんとつくりやすかったのではないだろうか。
ということで、今日は半日かけてDMを発送する作業。落語の笑志さん、こうじ、水中三姉妹にチラシを送る。今回は前回の1万枚から1万4千枚に増やした。残された時間のなかで、これをどう撒いていくかかが集客の大きな柱になる。前回はDMをかなり出した。主にプラコメを見に来たお客さんを中心に1000通ぐらい発送したのだが、あまり効果はなかった。むしろ置きチラシや口コミの効果があったようだ。今回はとりあえず前回のカバチッタを見に来てくれた人、アンケートに答えてくれた人、去年10月のカバBを見に来てくれた人を中心にまず200通発送する。またわれわれの知人関係にあと100通ぐらい出すようになるだろう。
マスコミにも極力とりあげてもらうようにアタックしていかないといけない。大きな記事をドーンとだしてもらうよりも、小さな記事でもいいので多くの媒体に出るようにしてみたい。
400というのを、とりあえずの目標にしたい。
いよいよこれからが正念場である。

2003年1月5日 日曜日 6:28p.m. 正月は賢治記念館へ

いよいよ明日から仕事が始まる。今年の正月はわりとのんびりできた。2日に実家の仙台へ、そのあと3日花巻に行ってきた。下の娘のたっての希望である。実は2年前も盛岡、遠野と正月に小旅行をしてきたのだが、その時に立ち寄れなかったのが、花巻にある賢治記念館だった。花巻駅前のホテルにとまり、4日に賢治記念館に行ってきた。花巻から新花巻まで循環バス(100円)に乗っていき、それから20分ぐらい歩いたところに賢治記念館がある。前日降った雪道をえっさえっさと歩いた。この雪道歩きは、娘たちにとってはなかなか経験できないことであり、楽しかったようだ。この記念館できて20年になるというが、なかなか内容が充実していた。うれしかったのは過去の企画展資料のバックナンバーのなかに「賢治とサハリン」というのがあったのだが、事務所で聞くと、すぐに探し出してきて、無料でもらえたこと。貴重な資料だ。この記念館の下に賢治研究のセンターともいえるイーハトーブ村がある。そして童話村という施設が、近くにある。一種のテーマパークで、まだ完成はしてないのだが、これはちょっといただけない。もっと素朴でいいと思うのだが・・童話村に並んで、花巻傘をつくる滝沢傘店、さき織りの工房がある。そして小次郎ソバというそば屋で昼食をとる。これがなかなかいけた。
花巻という町は、山に囲まれた平野で、とても雰囲気があるいいところだ。北上川の支流が町のあちこちを流れており、いたるところに神社があったのも印象に残っている。娘たちもすっかり気に入ったようだ。
しかし自分は賢治の童話をまったく読んでいなかったことにちと唖然とする。こんなところに来ると読みたくなる。とりあえず童話あたりから読んでみようか。
こんどは春とか秋にまた訪ねてみたい。


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