演目 『不時着』
場所 東京グローブ座
日時 2001年3月16日
出演 水と油
テレビ東京の「たけしの誰でもピカソ」を見ていたら、いま売出し中のパフォーマンス集団として、『水と油』が紹介されていた。
先日東京グローブ座で彼らの新作『不時着』を見たばかりだった(2001年3月16日)。男女4人によるダンスとマイムをミックスしたパフォーマンスを見て、とうとう日本にもこんなグループが生まれたのかと、ちょっと驚いた。
このグループのことは朝日新聞で今回の『不時着』の劇評を書いた石井達朗氏から教えてもらった。
ストーリーらしきものはなく、短いスキットが、非常にスピーディーに展開されていくのが小気味いい。ストーリーはないのだが、状況設定が、常に連動していくところで、不条理な世界をつくりあげていく。小道具、手帳やナイフなどが、この連鎖劇をうまく引き立てていた。フリップ・ジャンティーの影響があるかも?
かなり笑いの要素も取り入れている。ただテンポが良すぎて、笑っていいのか、観客席でとまどいがあったような気がする。石井氏は、この喜劇的な要素が、ありふれていて、ちょっと余計だったと書いていたが、私は逆にこの笑いの要素をもっとふくらませていけばいいと思う。というのはあまりにも全体が流れるような、いいテンポで進みすぎるような気がするので、笑いの要素でテンポを変えるのも手なのではないかと思う。関節を外すような仕掛けがあってもいいと思う。
言葉をつかわずに、マイムを主体としたパフォーマンスが定着しつつあるのは、いいことかもしれない。
前回この欄で紹介したふくろこうじも、この『水と油』に一時期所属していたという。 本人にすれば、自分が辞めたあと、『水と油』が日本だけでなく、海外でも評価されつつあるということに関しては、複雑な思いもあるようだが、大丈夫。こうじの世界が、評価される時が必ずくるはずだ。
私もお手伝いするつもり。
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