場所 大阪・梅田HEP FIVE内
日時 2001年5月4日午後4時から5時まで
出演 BPズーム
BPズームがステージだけでなく、ハプニング系のパフォーマーとしても一流であることを証明したパフォーマンスだった。
メイクをしたふたりは、人でごったがえす1階のエントランスに、ヌボーっと現れただけで、ドラマが始まる。彼らは行き当たりばったりで、即興的にパフォーマンスをするわけではない。見つめ続ける人とでもいうべき、キャラクターを創造し、そのドラマトゥルギーに基づいてパフォーマンスを繰り広げる。
テナントの店に入りこむ、店員さんをじっと見つめる、すれ違う人の姿をずっと見送る、エスカレーター付近にある案内板が、ドアになっていることを発見、それを開けて出入りする、ショーウィンドウに入り込む、マネキンが飾られているテーブルに同じようにマネキンになって座り込む、これらをパターン化して、6階の各フロアをじっくりと時間をかけて周回する。
ハンメルの笛吹男のように、あとをついてくる人がでてくる。
フィリップの話によると、アヴィニオンでデモンストレーションをした時に、ただチラシを撒くよりは、ちょっと変わった格好としぐさで歩くだけで、次々にあとをついてくる人が出てきた、彼らはいったい誰?とみんな不思議に思いついてきたのだという。
ただ彼らが一流なのは、常に演技であることを意識し、素には決してならないことだ。例えばショーウィンドウに入りこむ時も、マネキンになった時も、瞬きは決してしない。なりきるということに徹している。
さらに何度か子どもと遭遇するのだが、この掛け合いも面白かった。子どもはじっとふたりを見つめる、BPズームのふたりも子どもをじっと見つめる。会話はないのに、ここには確としたコミニケーションが成り立っている。
いままでHEPでのパフォーマンスデモンストレーションは、小さなステージをつくり、MCをつけてショートバージョンのショーをするというのがひとつのパターンだったが、その枠組みを壊し、新たなデモンストレーションの可能性をつくった。
たいした連中だ。
今週のトピックス
『BPズーム』大阪でブレーク
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