月刊デラシネ通信 > ロシア > モスクワスクラップ帳 > 第5回
『論拠と事実』7月30号のスクラップ記事は、3点。
1.保守主義者アレクサンドル・グラツキイ
2.コンスタンチン・ライキン「私は金持ちになれるだろう」
3.女優フォルキナは舞台へ
おまけ 7月のベストセラー
先週号のボリス・グレベンシコフへのインタビューに続いて、今週は、かつて日本の紅白歌合戦にも出演したことがある、ポップス界のスーパースター、グラツキイへのインタビュー記事。
ロシア・エストラード界の大スターであった、アルカーディ・ライキンの息子コンスタンチンへのインタビュー。
父のあまりにも大きな名声のため、常に「ライキンの息子」と言われ続けてきたが、いまや常に問題作を舞台にかけている評判の劇団サチュリコン劇場の主任演出家として、押しも押されぬ存在となった。
体操界のスターだったフォルキナは女優としての活動を開始した。ボンドガールで出演するという話もあるフォルキナのインタビュー記事。オリンピックでの報酬金、プレーボーイでのヌード、女優としての希望などについて愛想よく答えている。
ずいぶん前、そんな騒がれていなかったときにモスクワから一緒の飛行機に乗ったことがある。コーチがウォッカを飲んで、眠っているすきに、彼女は男性選手と一緒に喫煙席にやってきて、タバコを吸っていたなあ
おまけに、毎月一回でているベストセラーのランキングを紹介しよう。なかなか面白い結果になっている。
1.ボリス・アクーニン 「課外講義」
2.パウロ・コエーリョ 「世界戦争読本」
3.ダリア・ドンツォーバ 「クチュール真実の隠蔽」
4.J・ローリング 「ハリー・ポッター 炎のゴブレット」
5.J・ローリング 「ハリー・ポッター アズカバンの囚人」
6.J・ローリング 「ハリー・ポッター 秘密の部屋」
7.J・ローリング 「ハリー・ポッター 賢者の石」
8.アレクサンドラ・マリーニナ「知っている人」
9.村上春樹 「風の歌をきけ」
10.ベル・マクデリッド 「影のハンター」
アクーニンは読んだことがないが、なんでも日本文学の研究者としても知られているらしい。日本でも「堕ちた天使」という作品が翻訳されている。8位のマリーニナは、犯罪小説でロシアで圧倒的な人気を誇る女流作家。モスクワ市警殺人課分析官アナスタシヤを主人公としたシリーズものは、日本でも3冊翻訳されている。「盗まれた夢」は私も読んだが、なかなか面白いエンターテイメント小説だった。
ロシアでもベストラセラーは、海外の読み物が中心になっている。村上春樹がランクインしているのにはちょっとびっくり。先月は二冊も入っていた。
1.アレクサンドル・ヒンシュテイン 「恐怖はどんな色」
2.Y・ムーヒン 「スターリンとベリアの暗殺」
3.タチアナ・トルスタア 「干しぶどう」
4.オズ・ガルシア 「健康のハイ・テクノロジー」
5.ウラジーミル・レビィ 「恐怖を慣らす」
6.エルンスト・ムルダシェフ 「神の町を探して」
7.ウラジーミル・ヴォイノーヴッチ「神話の影の肖像」
8.ミルザカリム・ナルベコーフ「愚か者の実験−眼鏡からいかに逃れるか」
9.A・ボイコ「5+の健康」
10.エルンスト・ムルダシェフ 「われわれの先祖は誰?」
7位のウラジーミル・ヴォイノーヴッチ「神話の影の肖像」については、前々回のモスクワスクラップでもとりあげた、ソルジェニツィンを真正面にとりあげた話題のノンフィクション。
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