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【代打連載】モスクワスクラップ帳

第8回

『論拠と事実』8月33号でスクラップした記事は、3点。

1.セルゲイ・ボドロフインタビュー
2.タイワンチクスキャンダル
3.第5の波か?


1.セルゲイ・ボドロフインタビュー

 「ブラート(邦題−ロシアン・ブラザー)」1・2で大成功をおさめたセルゲイ・ボドロフのインタビュー。「ブラート」2(日本では未公開)の配給は、1500万ドルもあったというヒット作に出演したことで、いまセルゲイは、ショービズで成功した一番の人気者であることはまちがいない。
 作品とか映画についての質問より、ビックマネーを手にした人気者という視点からのインタビューになっている。
 ブラートのギャラで何年暮らせるのという質問に対して「何年?ここには別のルールがあるんだよ。ブラート2がうまく稼ぎだせたとしても、こうしたお金は他の映画のために使ってしまった。私の手元にも残っていないよ。興行収入の何パーセントをもらうということにもなっていない。余分なお金ができたらいいだろうけど、ただ誰もそんなことは誰も要求しない。映画の世界には金のためにだけ働く人たちは、我慢できないはずだ。ここではなくコマーシャルやテレビで働けばいい。映画で働く人たちというのは、映画が好きな連中なんだよ。変人のための仕事だろうね」
 次回の映画は「彼らの母」。

 ブラートのポドロフの演技は、イモのように思えた。ハードホイルドに演じているつもりなのだろうが、ただぶっきらぼうなだけじゃないと思った。ただ『イースト&ウェスト』の演技は良かったと思う。最初は親の七光で脚光を浴び、ブラートの成功でスターになった彼が、これからどんな俳優に育っていくのか、興味はある。

2.タイワンチクスキャンダル

 前号に続いて、タイワンチクの続報記事。
 ソルトレイク審判スキャンダルで逮捕されたトフタノホフの話題。
ヨーロッパで、この話題がもちきりなのは、ヨーロッパからロシアを排除するという狙いがあるのではという見方も。
 ただこのタイワンチクは、やはり相当の実力者で、政財界にかなりのパイプをもっていたようだ。

3.第5の波か?

 出版の世界で、再びサミズダート(地下出版物)がブームになりつつある。音楽、政治、エコロジーなどさまざまなテーマで独自の雑誌がつくられている。ソ連時代のサミズダートと、違うのは、こうしたブームの背景にあるのが、いわいる「Do it Yourself」の流行。つまり手作りブームだという。


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