月刊デラシネ通信 > ロシア > モスクワスクラップ帳 > 第43回
また例によって遅くなりましたが、「論拠と事実」誌の2005年1月号に掲載された記事から、クマがスクラップしたものを紹介します。
2005年1月号1−2合併号
今週の本
愛、ハラキリ、ロックンロール、日本式に
おとぎの国へご招待
サーカスの犠牲者のための山の避難所
2005年1月3号
手作りの映画−ユーリイ・ノルンシュテイン
2005年1月4号
「論拠と事実」が選ぶ今週の芝居
ここに偉人たちが住んでいた
M・ガルキン「私はいつもホワイトクラウン」
「論拠と事実」誌が推薦する今週の5冊
1.村上春樹 「海辺のカフカ」
2.ミカエル・タリベリディエフ「私はただ生きているだけ」
3.ビクトリア・トカリエワ「幸福の鳥」
4.「ロシア邸宅の3世紀」絵画、写真、グラビア
5.アクーニン,チハルティシビリ「墓場の話」
相変わらず根強い村上春樹。アクーニンの新作も気になるところ。
ちょっとした日本ブームになっている。日本の小説がベストセラーになり、北野タケシは人気、日本レストランもたくさん出来ているし、アニメもブーム。こうした日本ブームのなかで、実際の日本の若者たちがどんな生活をしているのかの現地レポ。東京の深夜、下田の朝、戸田の昼、京都の夜、そして東京の深夜のルポ。
ルポ先が東京と京都と何故か下田と戸田(ヘタ)というのがちとおかしい。下田と戸田というのは、プチャーチンがらみの取材もかねているのだろう。
モスクワの名所ガイド案内シリーズ。子供向けの施設紹介。
ドゥーロフ動物劇場、モスクワ青少年観客劇場、サッツ音楽劇場、ニクーリンサーカス、モスクワ人形劇場、児童影絵劇場
シリーズになっているこのガイドはなかなかよくできている。今回は子供向けの劇場案内。影絵劇場がちょっと気になる。
去年8月にクラスダールにサファリパークがオープンした。ここには、以前にサーカスで働いていた動物たちもいる。現地レポート。
なかなか刺激的なタイトルなのだが、中味はサファリパークのレポート。ただこのタイトルのつけ方のなかに、「論拠と事実」のここのところ続けられている動物保護キャンペーンの姿勢が垣間見える。
「霧の中のネズミ」が日本で、「すべての時代で、最も優れたマルチ映画」として賞を贈られることになった。そしてこの監督ノルンシュテインも、「日の出」賞を受賞することになった。そのノルンシュテインのインタビュー。
宮崎駿のジブリが全作品買い取ったノルンシュタインのアニメ。その意味では興味深いインタビューなのだが、この日本からもらったという賞は、いったい何の賞だったのか?
1.ピョートル・フォメンコ工房 「三人姉妹」
2.モスクワ芸術座 「階段を下りる画家」
3.サブレメンニク 「外套」(演出 ワレリー・フォーキン」
4.プーシキン劇場 「ジャン」
5.マヤコフスキイ劇場「小人」
フォーキンのインタビュー
新作案内で、ユーゴザーパドヌィ劇場の新作「人形」も紹介
フォメンコ、フォーキンといま旬の演出家の作品、それも古典に属するものが上演されるところが興味深い。
モスクワの施設紹介ガイダンスシリーズ。
国立文学博物館、銀の世紀文学博物館、ツヴェターエワの家・博物館、チェーホフの家・博物館、パステルナークの家・博物館
シリーズのモスクワの名所案内。今回は作家の記念館。個人的には銀の世紀文学博物館が気になる。
プガチョーワなどのコンサートのオルガナイザー、ガルキンのインタビュー記事。
このなかで自分のことを「ホワイトクラウン」と称している。
「私は道化の中に、なにか恥じているというようなものを見ない。しかし道化には関係がない。私はいつもホワイトクラウンなのです。もしもオーギュストが馬鹿をして、自分達を笑っているとしても、ホワイトクラウンは、理屈屋なのです。私は自分自身をコミカルにしようとはしない。笑いをイロニーやなんかそれに似たようなものに変えてしまうのです。」
クラウンのもつ二面性に依拠した、自分の存在価値についての説明なのだが、このようにクラウンを取り出してきたのが、興味深い。これだけクラウンの二面性が、一般的に受け入れられているということになるのだろうか?
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