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第5回東京国際フール祭 サーカス・芸

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第5回東京国際フール祭 「どの回を見るか!?」レビュー 

 フール祭まであと2週間を切りました。今回はヴァラエティーに富んだ番組になっています。全部見てもらえば一番いいのですが、このご時世それだけの暇とお金がある人は限られてしまうでしょう。そこでなにを見たらいいのか、そんな悩みをお持ちの方々に、どれを見たらいいかの、そんな目安になるようなレビューを紹介していきます。
 まず一回目は、BP ZOOMの新作「A WONDERFUL WORLD」を去年ロンドンで実際に観覧したACCの大野洋子のレポートです。(2009.05.27)

第1回 BP ZOOM 「A WONDERFUL WORLD」 (ACC 大野洋子)

出演日
6月12日(金) 19:30開演 『A WONDERFUL WORLD』 BP ZOOM(フランス)
6月13日(土) 14:30開演

 2008年の1月「ロンドン・インターナショナル・マイム・フェスティバル」で、今回の東京国際フール祭に招へいする、フランスのBP ZOOMの新作「A WONDERFUL WORLD」を見ることができました。
 前作では、車のフィアットの前半分をはじめ、クラウンは道具が非常に多いという定説通りの荷物の多さでしたが、新作は非常にシンプルで、スーツケース4個ほどという軽装です。とはいえ、前作同様(前作以上?)の特殊効果が随所にあり、見てのお楽しみというところです。
 舞台はふたりが気球に乗って旅をするシーンから始まります。その旅の中で、他愛もない“遊び心”から、様々な事件が起こり、それを乗り越えていくことの愉快さという、クラウンのクラシックなルーティンを保ち、そこに2人のキャラクターが重なることで幅と深みをもち、単純に楽しめる心地よい作品です。
 Mr.BとMr.Pの存在感に圧倒され、笑い通しの70分間。『ワンダフル・ワールド』というタイトルにあるように、“世界はこんなにも素晴らしいんだ”という、あたたかいメッセージが伝わってきます。これだけの作品に、いつまたお目にかかれるのか。お見逃しのないように。

前作『BP ZOOM 』の笑いの仕組みについては、「BPズームの笑いの秘密」(2001年5月)を参照して下さい。



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