月刊デラシネ通信 > サーカス&パフォーマンス > サーカス > ツィルカッチたち > 番外編
最近でたサーカス関連の本を二冊紹介します。
ロシアのサーカスポスター画集『ロシアポスターのなかでのサーカス』
雑誌『ヒッティ』でサーカス特集
ロシア語の本を専門にとりあつかっているナウカ書店にサーカスのポスターを集めた画集が入荷しました。印刷状態もよく、なかなか綺麗な画集です。サーカスの絵やロシアのサーカス、デザインに興味のある方にはお薦めです。
この画集の特徴は、ポスターが大きく(A3版)、装丁も一枚一枚がバラバラで綴じられていないことです。額に入れてそのまま飾ることもできます。
ここに収められているポスターは、41点でオールカラーです。年代的には、1899年から1960年代までのものが集められています。そのほとんどはその時代のサーカスのスターをフィーチャーしたものです。動物調教クラウンのドゥーロフ兄弟、熊の調教師のフィラートフ、イリュジョニストのキオ、さらにはカランダーシュ、エンギバロフ、オレグ・ポポフ、ニクーリンといったクラウンたちが描かれています。またいまではあまり見られなくなった人間ロケットや、怪力芸、空中パイロット芸など、珍しい絵柄のポスターもあります。
写真とはちがって、ポスターというデザイン化されたサーカスの世界を楽しむことができます。
この画集は、5年前に亡くなった道化師で、国民的な英雄でもあったユーリイ・ニクーリンの生誕80周年を記念して出版されたものです。入手ご希望の方は、ナウカ書店までお問い合わせて下さい。
『Circus in Russian Poster』(2001,Moscow)
日本での購入価格 4,800円(消費税別)
お問い合わせ ナウカ書店 03(5259)2711
久しぶりに雑誌でサーカス特集が組まれました。写真満載のなかなかボリュームのある内容になっています。
特集のメインは今年創立100周年を迎えた木下サーカスです。
目次を紹介します。
1.木下サーカス、華麗なるサーカスショー | |
木下サーカスの演目を写真で紹介するほか、猛獣ショーの調教師、クラウン、空中ブランコのアーティストたちのインタビュー記事も含まれています。 | |
2.木下サーカス100年史 | |
創立から現在までの年表で、昭和後期からは、興業地と期間が書いてあります。 | |
3.木下唯志社長インタビュー | |
社長のインタビューの他に、若い次世代のメンバーのインタビューも。 | |
4.サーカスの歴史(日本編)その黎明〜黄金期 | |
幕末から、ハーゲンベックサーカス来日までのサーカス小史。 | |
5.国際サーカス村 | |
群馬県勢多郡沢入にあるサーカス学校、サーカス資料館を写真入りで紹介。 | |
6.わがサーカス事始め−脚と脚の間に見えたリングの輝き(西田敬一) | |
国際サーカス村協会の代表理事西田氏がサーカスと出会い、サーカスで仕事をし、学校を立ち上げるまでの話を書いています。 | |
7.サーカス考現学−古さと新しさのコスモロジー(石井達朗) | |
サーカスの世界史をたどり、さらには近年注目を浴びているヌーヴォー・シルクの紹介、その可能性について書いています。 |
ページ数にして40ページ以上、写真、図版なども豊富に入った豪華版で、値段が762円(本体)というのは、かなりお得だと思います。
『htwi(ヒッテイ)』No.14 Circus 木下サーカス100年
発売・心泉社
TEL03−3556−0661 FAX03−3556−0664
メールアドレス info@htwi.org
ホームアドレス http://www.htwi.org
定価 762円(税別)
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