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カフェ・クマ−談話室 過去ログ

2004年2月

2004年2月28日 土曜日 1:56a.m. 週刊新潮で『虚業成れり』が紹介されている クマ

ダメじゃん小出からの情報で、いま発売中の『週刊新潮』の福田和也氏の連載コーナー『闘う時評』で拙著『虚業成れり』のことが紹介されていることを知る。新潮をマークしているところはさすが小出。
今日会社帰りに買って読む。タイトルは「赤い呼び屋の『虚業成れり』」ということで、二頁つかって本書の紹介をしてもらっている。書評でもないし、時評でもなく、本書にしたがって、神彰の生涯をダイジェストに紹介したもの。それでもこれだけ大きくとりあげてもらったことは正直うれしい。
取材で二度お目にかかった康芳夫氏と福田氏はかなり接点があるようだし、もしかしたら康さんがこの本のことを教えてくれたのかもしれない。ところで康さんはこの本のことをどう思っているのだろう・・・出来上がりをとても楽しみにしていたのが・・・
演芸雑誌の貴重な情報源『東京かわら版』3月号にも、本書の紹介がされている。うれしい。
今回の本はじわっと、じわっと広がっていければいいと思っているので、いきなり書評ではなく、こんなかたちで紹介されていくのが、いい感じかなと、ひとりほくそえんでいる。

2004年2月26日 木曜日 11:56p.m. 緊急速報 カバレット音楽のとんでもないライブが来週あります

カバレットチッタでお世話になっている巻上公一さんのプロデュースで、チェコのトラバンドをゲストに、とても魅力的なライブが敢行されます。突然の話しですが、これはもう見に行くしかないでしょう。カバチッタに出演してくれたシカラムータ、こまっちゃクレズマー、さらには巻上公一、ヒカシューとのジョントなど、日替わりメニューです。どれを見に行くか、ちと迷いますが、なんとか時間の許す限り見に行こうと思っています。観劇案内板でも紹介しますが、とりいそぎ、その内容を。
Eastern Cabaret World 東から東へと題し
チェコからやってくるスラブ、サーカス、キャバレー音楽をパンクに唸るバンドトラバントを迎え、以下のコンサートを企画をしました。
公演: 全て shibuya eggman 渋谷公園通り(tel:03-3496-1561)
  全公演とも 18:30 開場、19:00 開演  Traband は全公演に出演
3/1月 シカラムータ
3/2火 くものすカルテット+ 鈴木常吉、日比谷カタン
3/3水 ヒカシュー、  「Traband とのスペシャル・セッション」**
3/4木 こまっちゃクレズマ+巻上公一
3/5金 Warehouse 
3/6土 ミンガ

http://www.bigstream.co.jp

2004年2月12日 木曜日 10:14p.m. スタルヒンのドキュメンタリー  クマ

『流転』いまいちだった。テーマが絞りきれなかったのかなあ。なぜ『天然の美』が、高麗人のなかで脈々と歌い続けられていったのか、その突っ込みがなかった。朝鮮語でどう訳されて歌われたのかという姜さんの『安住しない私たちの文化』で紹介されている部分さえも紹介されていない。ここに大きなテーマがあったはずだと思うのだが・・・どうしてもあれもこれもというのを詰め込もうとするあまり、正味50分足らずの尺だと、描ききれないような気がする。欲求不満が残る作品だった。
さてこんどの日曜日テレビ朝日系列で、白系ロシア人の野球選手スタルヒンを追ったドキュメンタリーが放映される。この企画をたてたのは、私の友人でもある上杉さん。以前東京であったときに、この話しをずいぶん聞かされた。昨年はアリューシャン列島を舞台にした『霧の日記』で数々の賞を受賞した上杉さんが、どんな風に描いているのか、とても興味がある。上杉さんは、私と同世代、ロシアものにこだわりをもち続けている数少ないテレビマン。極東共和国をつくったクラスノシチョーコフを追ったドキュメンタリー『ロシアにアメリカを建てた男』をつくるほか、自分でも同名の本を書いている。
私も一度は書こうかと思った素材のひとつ、スタルヒンを追いかけるというのだから、見逃すわけにはいかない。
『心の中の国境−無国籍投手スタルヒンの栄光と挫折』
テレビ朝日系列
2月15日午後2時から3時25分



2004年2月10日 火曜日 0:32a.m. 気になるドキュメンタリー『流転』  クマ

今日の朝日夕刊の記事で、気になるテレビドキュメンタリーの紹介が・・。2月11日第18回民教協スペシャルに選ばれたドキュメンタリー『流転』が放映されます(東京は、テレビ朝日)。私の書いた『海を渡ったサーカス芸人』をもとに制作された『20世紀大サーカス』もこのスペシャルに選ばれたので、懐かしくもあるのですが、今回のテーマは、サーカスでもおなじみの「美しき天然」という曲が、朝鮮半島に渡り、さらには高麗人がスターリン時代に強制移住された中央アジアにも伝わり、いまでも歌われているという、ひとつの歌の流転にこめられた民族の軌跡をたどったもの。ということでとても興味があります。実はこれは、去年読んでいたく感動した本姜信子著『安住しない私たちの文化』のなかに入っていたエピソードで、ずっと気になっていたことでもあります。番組では姜さんも一緒に取材に加わり、中央アジアや南ロシアの町を訪ねているようです。姜さんの本を読んだとき、この「天然の美」が、どのように歌われているのか、実際に聞いてみたいと思っていただけに、とても楽しみです。
この『安住しない私たちの文化』という本は、読書乱読の欄で紹介したかどうかはっきりと覚えていないのですが、私の気になっているソ連時代のロックアーティスト「キノ」のツォイのことにも触れていたり、とても刺激的な本です。こちらもご一読をお勧めします。


2004年2月5日 木曜日 0:37p.m. フェリーニの『道』が7日深夜に放映されますよ  クマ

今年の私の初夢は、ザンバノとジェルソミーナが乗っていた車に乗って旅するというもの。年末に久しぶりに『道』のビデオを見たからだろう。フェリーニの映画としてはとてもシンプルで、ストレートに心をえぐる名作中の名作だ。あの三輪トラックに乗り、旅をしながら、大道芸を披露するふたりの切ないまでの生きかたは、いま見てもやはり心を揺さぶられる。
最後の海辺で号泣するザンバノの姿に、あらためて涙のはずだったのだが、何故か自分のビデオは、このシーンの途中で切れていた。オイオイという感じなのだが、今週土曜日の深夜にまた『道』が放映されるというので、うれしくなった。
見ていない人は、ぜひ見てください。
放映は、2月7日深夜0時から1時45分までNHKBSです。


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