月刊デラシネ通信 > その他の記事 > カフェ・クマ―談話室過去ログ > 2004年4月
●2004年4月24日 土曜日 2:21a.m. 玉井喜作と海を渡ったサーカス芸人 |
玉井喜作の血をひく泉健さんから、「Ost=Asien」研究-その3.人名注解:日本人編」と題された論文の抜き刷りが送られてきた。(和歌山大学教育学部紀要第54集,2004年2月刊) 石巻若宮丸漂流民とも縁のある玉井が、私のライフワークのひとつ海を渡ったサーカス芸人とも深い関わり合いがあったことを知り、やはりこの玉井という男とは離れることができないのだという思いを新たにしている。泉さんのこの論考は、玉井がドイツで出していた『東亞』という雑誌に登場する日本人の人名を抽出し、その解説をするというたいへんな労作で、泉さんの『東亞』研究は、お父さまの巌さんの意志を継ぐかたちで、持続していることに私はまず大きな感銘を受けている。それもやはり学者という見地から、まず目次、人名注解と、確実に調査を進めているところに泉さんらしさを感じている。 いただいてからずいぶん時間が経ったのだが、今日あらためて読んでびっくりしたのは、ここに海を渡ったサーカス芸人の名が3人もでていることである。そのうちの2人は『東亞』に載っている写真つきだ。福島、西浜、松井、そして両国一座という濱村に関わる人物がでてきていることに驚いてしまった。 玉井がベルリンでこの雑誌をつくっていたときに、こうした日本人芸人はドイツで公演をおこない、玉井もこれに協力していたのであろう。 この論考には、二枚の写真もでているのであるが、初めて目にするものであった。これはじっくりと調べなくてはならないだろう。 私はこればかりに目がいってしまったわけだが、この研究の価値は、当時ドイツで玉井のまわりにいた日本人の経歴がすべてわかることであり、そのネットワークの広さをしれることにある。でもである、やはり私にとっては、また海を渡ったサーカス芸人の存在を思い起こさせてくれたということで、たいへん貴重なものとなった。 もし読者で興味のある人がいましたら、ご一報を。何部かあずかっていますので、おわけします。 |
●2004年4月21日 水曜日 1:22a.m. ダメじゃん小出ソロライブ『負け犬の遠吠え』Vol.10 |
内幸町ホールで初めてのライブの前回と比べて、かなり固さがとれたというか、伸び伸び演じていたような気がする。いい出来だった。前回は全般的にダークトーンだったが、今回は小出の持ち前の畳みかけるようなテンポの良さが全面に出て、カラっとした仕上がりになった。 通販の高田さんをもじった「ジャパネット・ダメダ」は、テンポよくまくしたてるような軽やかさが生きていた今回の作品のなかでも群を抜いていた。「ご近所の底力」は、今回はずっと絞ってつかったVJの映像との絡みが生かされていた。最後のNGシーンのもじりには笑わされた。ただ中国と韓国をもじったキャラクターの語尾に「コロ」をつかっていたのはいただけない。「チャンコロ」という言葉がどうしても連想されてしまう。 社会保険が崩壊して、民営化されたのに危機感をいだいた老人たちが年金手帳を取り返すという「年金」は、着眼点がよかった。もう少し突っ込むととてもいいネタになっていくような気がする。まさに負け犬の遠吠えで、いままで世間から相手にされないような人たちが、むちゃくちゃのことをする、そこの逆転の発想は、もっとポジティブにすると、イイネタになっていくように思える。 「海よ、さらば」は、BSEや鶏インフルエンザで食肉産業の苦境を、捕鯨禁止で増え続ける鯨たちが、丘にあがって、食材になろうと決起するという、小出のこれも得意の寓話ものをちょっと芝居風に仕上げたものである。切り口は文句ないし、目のつけどころも的を得ている。ただ芝居の部分がやはりこなれていない。努力はわかるのだが、やはり工夫が必要かな。 あえて定番のニュースと天気予報を捨て、映像にもあまりおんぶせず、新機軸を打ち出したところは、負けん気の強い小出らしい。そこは買いたい。 つなぎの携帯もののショートコントも、よかったと思う。 内幸町ホールの板に少しずつなじんできたかな。いい公演だった。次の12月の公演がとても楽しみになってきた。 |
●2004年4月15日 木曜日 8:50a.m. 必読『サーカスの犬』 |
これはサーカス小説の最高傑作といっていいでしょう。今月3月光文社から刊行された『サーカスの犬』です。サーカスというタイトルがついて、サーカスとはあまり関係のない本って結構あるのですが、これは徹頭徹尾サーカスを舞台にしたサーカス本です。詳しくは読書乱読で紹介しますが、サーカス好きな人は、とにかくだまされたと思って、是非読んでください。クマ |
●2004年4月11日 日曜日 11:06p.m. カバレットシャーレ「野毛・歌のアルバム」来場者にもれなくプレゼントが! |
いよいよ今週末は野毛大道芸。今年はアメリカ特集、といってもそれは野毛のことですから、進駐軍・闇市のイメージでやるとのこと。それに便乗して公演するのが、「野毛・歌のアルバム」(詳しくはクマの観覧案内板をご覧あれ)。 この公演にロッテが協賛してくれることになりまして、ご来場のお客さんに素敵なプレゼントがつくことになりました。 どうも昭和歌謡がブームらしく、「ロッテ・歌のアルバム」がレコード会社8社協賛で一斉に発売されています。そしてロッテも「玉置宏ナレーションと昭和歌謡が一曲入ったCD付」のガーナチョコを350円で発売しております。 ということで、このCD付チョコレートを来場したお客さんに全員プレゼントすることになりました。野毛とチョコレートというのも妙な組み合わせかもしれませんが、なんとなく得した気になるではないですか! ついでに限定版のチョコがもらえるカバレットシャーレVOL.2「野毛・歌のアルバム」、見なけりゃ損ですよ! |
●2004年4月8日 木曜日 1:07a.m. 東北放送ラジオ番組出演余話 |
先日6日に東北放送のラジオ番組に電話出演をしました。時間にしてどのくらいだったのでしょう。10分前後だったと思います。そのなかで、パーソナリティーの郡さんから、最後に大島さんにとってこれからやりたいことはと尋ねられ、こんな風に答えました。 「神さんは、幻と呼ばれていた名のある一流のものを呼んだわけですが、自分はまったく知られていない無名のものを、呼んできて、自分の力でたくさんの人を集める、そんなことをしたいと」 東北放送のHPのなかで、郡さんはこれについてこう書いています。 「ドン・コザック合唱団、ボリショイバレエ、レニングラードフィル、ロストロポーヴィチ、ボリショイサーカスetc.そう「戦後の奇跡」と言われた「呼び屋」神彰(じんあきら)の呼んだ主な公演の一部。そのすごい呼び屋の一生を、同じく呼び屋業というノンフィクション作家の大島幹雄さんが『虚業成れり』と題し、まとめました。 今日のみんなの時間で話を聞いたのですが、神さんは「幻」を追いつづけたが、大島さんは「無」を世に現す呼び屋としてやっていきたいと話してました。 世界の本物を日本に呼ぶ…呼び屋、うーん、大島さんが世に問う「無」の本物って何だろう…。(郡和子)」 これに対していつか自分は答えなくてはならないと思います。 |
●2004年4月7日 水曜日 3:37p.m. 新連載『クラウンを夢見た人たち』について |
デスクの大野に新連載したいのだけどと相談したら、いままで連載の名のもとで始めて、すぐにやめたものがいくつあるか知ってますかと言われてしまった。まさにその通りで、その場の思いつきで始めて頓挫したものがいくつもある。しかし今度のこの連載は、実は数年前から準備していたもので、いわば満を持してのものである。 ACCで海外のクラウンを紹介しようと最初にディミトリーの公演を原宿ラフォーレでやるべく準備していた時に発足したのが、「クラウンカレッジジャパン」。今回プロローグがわりに掲載してある『道化師の変容』を書くために、最初にクラウンカレッジを訪れたとき、考えてみれば三雲君や小出君、ななちゃん、ハンガーマンたちと出会っているわけである。正直いって彼らとこんなかたちでいまでも付き合いが続くとは思ってもいなかった。 なにか縁のようなものを感じるのである。 そして彼らと一緒にプラコメをやったり、カバチッタなどをやるなかで、彼らがやりかたはクラウンカレッジで学んだ時とはちがうかもしれないが、やはりクラウンやボードビリアンを目指していることを知った。 こうした関わりのなか、自分もあいかわらずクラウンを追いかけている。このルポは、クラウンをめざした人々の足跡をたどるだけでなく、クラウンのいまを伝えるものにしたいと思っている。それは、彼らがめざすクラウン像を明らかにするだけでなく、自分にとってのクラウンを追いかける旅でもあると思っている。 どのくらいの時間かかるかわからないが、ゆっくりと続けていきたいと思っている。 |
●2004年4月5日 月曜日 3:56p.m. 東北放送ラジオ番組に出演 クマ |
明日(6日)午前9時から12時まで放送の東北放送ラジオ番組『Color』のなかで、私が電話でパーソナリティーの郡和子さんのインタビューに答えるかたちで、ラジオ出演することになりました。 拙著『虚業成れり』のことを中心にした話題になると思います。 宮城県の人は、お暇でしたらお聞きください。時間的には10時半ぐらいと言われています。 |
●2004年4月4日 日曜日 11:14p.m. 六本木の春のストリートパフォーマンスは中止になりました |
六本木ヒルズで開催を予定していたストリートパフォマンスは中止になりました。あれだけ大きな事故があったわけですから、主催者としては当然の措置だと思います。 観覧案内板で紹介した、ヴォエボダファミリー、トリオオスマン、キャロリーヌとオクサナのショーは残念ながらすべてキャンセルとなりました。 |
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