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クマの観覧雑記帳

『ボリショイサーカス』

出演者 モスクワ・ボリショイサーカス団
会場  有明コロシアム
公演時間 2時間
観覧日 7月25日10時半 


 会場を、去年までのビックサイトから有明コロシアムに変えたことは、正解だった。うなぎの寝床のようなビックサイトより、今回のすり鉢状の会場のほうが、サーカスを見るのにはふさわしい。ひとつひとつの演技も丁寧に演じられていて、それなりに見応えがあった。

1.オープニング・縄跳びアクロ
 オープニングから縄跳びアクロバットへの繋ぎが、華やかさにかけるし、縄跳びも迫力にかけた。
2.ジャグリング
 男性トリオによるジャグリング。今回の演目では一番よかった。アクロバット的な要素も取り入れ、立体的に見せるところに見応えがあった。
3.空中キュービック
 立方体をつかった地上と空中で演じられる女性ソロのアクロバット。迫力も美しさもあまり感じなかった。
4.ロシアンバー
 飛び手が女性、3人によるロシアンバー。エキゾチックなムードはあるのだが、跳躍技としてのテクニックには物足りなさを感じた。
5.ワイヤーアクト
 熊もまじえての、綱渡り。ハイワイヤー、坂綱と見どころが多いのに加えて、熊も参加させている。
6.集団アクロバット
 スピード感あふれるマットをつかった跳躍技主体のアクロバット。
(休憩)
7.空中鉄棒
 鉄棒をつかっているのだから、もう少し旋回技を見せてくれたらよかったのに。
8.フラフープ
 荒々しいまでのダイナミックなフラフープアクト。ここまでテンションの高い演技を見せてくれるのは、さすがコルトバーンである。
9.空中大一丁
 男女デュオによる空中大一丁。ゆったりとしたブランコの揺れを生かした優雅で美しい大一丁だった。
10.犬の曲芸
11.ジギド
 最近いつもトリをとるジギドが、あっさりやられるのにちょっと不満をもっていたのだが、今回はタップリに見せてもらった。ただコサック兵の軍服での演技というのはどうなのだろう。時代錯誤という気がしないでもなかった。

この他にクラウンが何度か登場し、主にお客とのからみでレプリーズを演じた。場つなぎという意味では、問題ないのだが、もう少しアピールするような演技が見たかった。

 後半の演技が、メリハリがあって、テンポもあり、ひとつひとつのアクトの見応えもあったように思える。
 あっと驚くような大技や、象とか猛獣がでる演目もなく、小粒な感じもするが、全体的に引き締まった内容だったと思う。
 カバレットチッタで10人編成の音楽隊の演奏つきのショーを見たあとだったので、これだけの内容のサーカスのバンドが4人だけというので、音の厚みがなく、迫力を感じられなかった。バンドさんたちも休憩時間のパンフ売りの方に熱が入っていたようだ。
 全体的に音とか照明をもっと上手につかう必要があるのではないだろうか。別にシルクドゥソレイユのようにしろと言っているのではなく、見せ方にもう少し工夫があってもいいのではないだろうか。そうすれば、もっともっと楽しめるショーになると思う。


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