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【特別寄稿】 「太陽」 ロシア・ソ連

 ソクーロフ監督の話題の映画「太陽」(2005年)の詳細なレポートが届きました。


 先週のベルリン映画祭に出展され、昭和天皇を描き話題を集めた、ロシアのソクーロフ監督の新作「太陽」をモスクワで見ました。映画祭では山田洋次監督の作品と同様、無冠に終わりましたが、大きな話題と関心を集めました。テーマがデリケートすぎて日本では上映が難しそうですから、ここに報告いたします。

 2005年2月18日(金)の最終回(22時)だったせいか、観客はまばらでした。百五十人収容のホールで15人ぐらいしかいませんでした。ウイークデーはなかなか観客は集まらないようです。娯楽映画ではありませんから。しかもテーマが昭和天皇です。映画の大部分が日本語。それをソクーロフ氏が原語よりちょっと遅れてロシア語で「通訳」するという形。(ロシア以外では俳優の日本語・英語はそのままで字幕が付く)
 以前は、この「太陽」が三部作の最終作品とされていました。最近のレビューをみると、四部作の3作目と紹介されるようになりました。というのも、ヒトラー 、レーニン 、そして昭和天皇ときた、20世紀の歴史に大きな影響を与えた3人に続き、4人目に取り組むことを明らかにしているからです。

 さて、肝心の内容。3作のうちベストだと思います。ソクーロフ氏の渾身の力作といえます。別の見方として、「太陽」の評価を左右するは、イッセー尾形の演技をどう評価するかで決まるのでは?と思わせるほど、彼の演技が際立っていました。カゲの監督はイッセー尾形自身であったかもしれません。
 イッセー尾形演じる昭和天皇の話し方、話す時の表情(とくに例の特徴のある口の動かし方)、そして身のこなし方、かなり似ていました。笑わせることが目的の声帯(形態)模写の人がやるほど誇張はされていませんでしたので、昭和天皇の話し方を記憶している日本人が見ても自然です。ただ、外国人が見た場合、どう映るのでしょうか?
 皇后を演じたのは、桃井かおり。ラストシーン5分くらいの出演。二人芝居で共演しているせいか、息はピッタリ。

 ソクーロフ氏の記者会見での発言では、「政治・歴史の問題を蒸し返すつもりはない。戦争の犠牲者をこれ以上増やさないため、人間宣言をするに至った昭和天皇の内面的葛藤を描いた」とあります。果たして、そのような意図を達することができたのか?
 できるだけ、臨場感をもっていただくために、記憶をたどってストーリーを再現してみます。


太陽(Солнце)
2005年
監督:アレクサンドル・ソクーロフ
監督:アレクサンドル・ソクーロフ
出演:イッセー尾形 桃井かおり 佐野史郎 Robert Dawson他

ストーリー:

 皇居の地下に掘られた退避壕(防空レジデンス)。天皇が独り食事をしているところからスタート。侍従たちがかいがいしく世話をしている。食事をしながら、天皇が「ラジオをつけてください」と言う。侍従がラジオをつける。威勢の良い軍歌。侍従はこれは良くないと思い、チャンネルを変える。今度は「ラジオ東京」の英語ニュース。「沖縄で多くの学生が最期まで戦う用意を表明し…」
天皇: 「消してください。」
 侍従が、今日の日程を伝える。
侍従: 「10時 御前会議 12時 海洋生物学の研究、14時に午餐、15時から16時まで午睡・・・」
天皇: 「アメリカ軍がここに来たらその日程はどうなるのかね?」
侍従長: 「日本人が一人でも生きている限り、アメリカ人はここに来ません。大正13年の日本国民を侮辱したアメリカ人など・・・」
天皇: 「あ、そう。」
天皇: 「日本に最後に残る人間が私一人になったらどうする?」
侍従長: 「お言葉ですが、陛下は天照大御神の天孫であり、人間であるとは存じませぬ」
天皇: 「私が神である証拠はどこにも何もない。この皮膚も他の人と同じではないか」
侍従長: 「・・・」
天皇: 「怒るな、まあ、いわゆる冗談だ」
 御前会議に備えて着替え。 侍従がシャツ、軍服の上着を着せる。
侍従: 「お痩せになりましたね」
天皇: 「誰も私のことを愛してくれていない。皇后と皇太子以外は。」
侍従: 「そんなことはございません。 皇室の方々、それに国民も愛していますとも。」
天皇: 「そうか。ところでローマ法王はなぜ私の手紙に答えてくれないのだろう。」
侍従: 「どうせ、枢機卿のところで止まっているに違いありません。」
天皇: 「そうか。(笑顔で)まあ、よかろう。」
 御前会議で。
 陸軍大臣は兵士たちは飢えに苦しむも戦意は高揚したまま、本土決戦に持ち込む用意があります、と涙にむせびつつ天皇に申し上げる。
 天皇は、明治天皇の歌を詠み、明治天皇は平和を望んでいた、と。自分も良い条件で国民に平和をもたらしたい、と降伏する用意があることを示唆する。
 落胆する大臣たち。
 退避壕から自分の研究室に向かう天皇。
 迷路のような退避壕のなかで袋小路に行き当たる。
 侍従が正しい順路に案内する。
 研究室は、退避壕から出た地上レベルにある。
photo2 助手が出迎える。白衣を着せられる。おもむろに標本の入ったビンをながめる。
「なんという奇跡。なんという神々しい美しさ」
 中に入っているのは、ホルマリン漬けのカニ。丁寧にピンセットでカニを取り出し、標本皿に乗せる。このカニについての知識のすべてを饒舌に語り始める。助手がそれを口述筆記する。
「学名を Dorippe granulata、俗名 ヘイケガニ。歌舞伎役者の隈取のような顔 云々」
「自分の居場所からは動かない。大量移動などない。移動、移動、移民、そうだ移民だ!」
 退屈さに居眠りをしていた助手を手をたたいて起こし、自分の言うことを筆記するよう命令する。
「大東亜戦争の原因のひとつについて語ろう。大正13年、アメリカは移民制限法を日本人にも適用し始めた。それが、日本国民、軍部を大いに刺激した。」
 侍従長が来て、「アメリカ軍の隊列が東京に近づいております。至急、退避壕にお戻りください」。
 退避壕の自室に戻る前に、侍従たちの前で「自分が普通の人間と何が違うというのだ、大臣たちの前でそれを言ったら、彼らは大いに警戒し、憤慨していた。」
 自室のベッドの上。午睡の時間。
 しかし寝付けない。横たわりながら両手で頭を押さえながら時々苦悶の呻き声を上げる。
 ベッドの上に起き上がる。
 目を開けたまま、東京の夜を赤く焦がす空襲の様子が目に浮かんでくる。たくさんの爆撃機がどいういう訳か翼のついた魚の形をしている。東京の空の上を縦横無尽に泳ぐように飛びながら次々に爆弾を落としていく。火が東京の町をなめ尽くす。瓦礫と化した建物が見える。
 ベッドから降り、書き物机に座る。
 墨をすり、墨汁をつくる。
 半紙を文鎮でおさえ、歌を詠みはじめる。
「桜咲く 春らんまんに 雪ふぶき 想いはるか」。
 急に皇太子宛て手紙を書くことを思い立つ。
「愛する息子よ。この恐ろしい敗戦の原因について、ちょっと話したい。国民が自信過剰になり、軍がアメリカを見くびりすぎた・・・ 戦意の高揚だけで、軍備が不十分であることを無視していた…」
 写真のアルバムを取り出す。自分と皇后の写真、皇后に抱かれた小さな長男に口付けする。
 その後、別のアルバムを取り出す。そこには、戦前に活躍していたハリウッドのスターたちの写真が。まずハンサムな男優たち。そのなかにチャーリー・チャップリンの写真が何枚か。目をとめる。続いて美しい女優たちにも目をとめる。
 そしてヒトラーの2枚の写真を取り出し、思いにふける。
 そうこうしているうちに、うちひしがれたような様子の侍従が入ってくる。
 天皇は、「アメリカ人が来たんだな、じゃ、着替えねばならぬ。」と言って、黒いフロックコートに黒い帽子に着替える。
 退避壕から地上に上がる。
 すでに白亜の洋館の庭には、米軍が用意した黒塗りの車が待っていた。米軍兵士から車に乗り込むよう、ぶっきらぼうに指図される。
 皇居を後にし、東京の町を車で走る。周りは悲惨な焼け野原。悪夢は現実だったのだ。
 マッカーサー司令官の待つアメリカ大使公邸に到着。
 部屋の前でドアが開けられるのを待つ。
米兵: 「なに、俺に開けてほしいのか」
photo3 ドアが開けられ、部屋に入る。
 司令官が大声で「Your Majesty, Come in (陛下、お入りください)」。
 日系二世の通訳官が司令官に「天皇陛下に対して、そのような大声は失礼であります」と上官を咎める。
 司令官は「何をぬかす。お前は通訳だけしていれば良いのだ」
通訳官: 「(かしこまって)陛下、連合軍の決定について同意されますか?」
天皇: 「いかなる決定も受け入れる用意があります。」
 司令官が天皇をソファの方に手招きしながら、「今日はどうして着物ではないのですか?」と訊ねる。
 天皇は「着物は国民の祝日に着る物。今日は、私にとって Disgrace と Griefの日であるから着ないのです」と英語で答えた。
 ソファにかけながら、さらに天皇は英語で「私はドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、中国語などをしゃべれるが」と続けた。
 通訳官が日本語で「陛下、英語でしゃべると、このアメリカ人と同じレベルになってしまいます。どうか日本語で話してください。」
 勝手に天皇と話している通訳官にマッカーサーは激怒し、「10日間の謹慎だ、もういい。去れ」。
天皇: 「あなたの召使が、ここはオフィシャルな場であるので、天皇は日本語で話すべきですと言いました。そういえばその通り、私は外交上の習慣を忘れていました」
司令官: 「彼は私の召使などではない。あなたの国には召使がたくさんいるようだが・・・(大声で)通訳官戻れ!!
 ところであなたの子供たちはどうしているのですか?」
天皇: 「子供たち? 昨日、天皇は皇太子に手紙を書きました。」
司令官: 「それで、天皇は何を書いたのですか?」
天皇: 「戦争の敗北について・・・ イルクーツクまで進軍するべきだと軍部は主張したが、私は押しとどめた。首相は国の財政状況を把握していなかった。」
司令官: 「今日はこれまで。皇居に送らせます。」
天皇: 「あ、そう」
 丁寧に白い手袋をはめ、帽子をかぶり、軽く一礼する。
 ドアのところで外をのぞきこむ。だれか開けてくれぬのか。
 恐る恐るドアノブを回し開けようとする、急に先ほどの兵士が開けてくれる。
 天皇はまた司令官の方を向き直り、軽く一礼する。
司令官: 「(通訳官方を向き、呆れた様子で)今のはなんだったのかね。」 photo4
通訳官: 「陛下はおそらく自伝の一部を読んでいたのではないかと察します。」
司令官: 「まるで子供みたいだ。状況を把握できるまで、心神耗弱による自宅軟禁扱いとする旨、ワシントンに報告しろ」
 皇居に戻る。
 侍従たちが隣の部屋で何か話し合っている。司令部からの贈り物だという箱を前に、ためつすがめつ中身について論じている。
 天皇が加わる。天皇が箱に''Hershey's Milk Chocolate - Almond '' と書いてあるのに気づく。
天皇: 「これはチョコレートである」
侍従長: 「大豆が原料の?」
天皇: 「いやカカオからつくるものだ。 食べてみなさい」
 と言って同席していた4名の者にチョコレートの包みを配る。
侍従長: 「(狼狽して)おかみ、毒が盛られているかも知れないので、私がお毒見をいたしします。」
 侍従がチョコレートに食らいつく。意外に美味しかったようだが、それを侍従長は隠すような表情。
天皇: 「はい、チョコレートおしまい。」
 侍従長は拒否して欲しかったが、天皇はアメリカの従軍カメラマンの写真撮影に応じると言い出す。
侍従長: 「なぜですか?」
天皇: 「暗闇に包まれた国民にも、きっと太陽が差す時がくるであろうから。」
 日系二世の通訳官がせわしなくカメラマンたちに「いいか、テンノウヘイカとお呼びするんだぞ。」
 天皇がカメラマンの前に現れる。
 素直に要求されたポーズをとる。
 その恰好からカメラマンの一人が「チャーリー・チャップリンそっくりだ」と言う。
 それから、他のカメラマンたちも「チャーリー・チャーリー」と声をかけ始める。
 天皇は終始笑顔をつくり、写真でみたチャップリンのようなポーズをとる。
 短い撮影が終了。
通訳官: 「(帰ろうとする天皇に駆け寄り)陛下、大変失礼いたしました。どうかお気を悪くなさらないでください。あれがアメリカ人なのです。それと、お知らせしたいのですが、マッカーサー司令官が陛下を今晩ディナーに招待したいとのことです。」
天皇: 「わかりました。ところで、そんなに私はあのアメリカの俳優に似ていますか?」
通訳官: 「いえ、存じません。私は映画を見ませんもので。」
天皇: 「あ、そう。私も見ません。」
 天皇は、また見当違いのところに立っているが、侍従長に案内される。
 マッカーサーとの2回目の会談。1回目と同様、大使公邸にて。大広間でのディナー。
 天皇は美しい皿を観察している。
司令官: 「その皿は、打ち負かしたドイツから持ってきたものです。アジアでの勝利を祝うために。その皿の主(あるじ)のもには、あなたのお友達がよく訪ねてきたそうです。」
天皇: 「友達?」
司令官: 「ヒトラーのこと。あなたが同盟を組んだ相手です。」
天皇: 「私は会ったこともありません。」
司令官: 「・・・ハバナの葉巻はどうですか?」
天皇: 「私は結構。」
司令官: 「奇遇なものです。私の父は、この地に軍事アタッシェとして来ていました。父は米国大使から懇意にしてもらっていたので、ここによく来ていたとか。そこに私がこうしているのですから。」
天皇: 「そうですか。ただ、(あなたのお父様のことを)私は覚えていません。ところで、日本にとっての対連合国戦争での勝算は5割。そして、ドイツにとっての勝算は10割でした。」
司令官: 「何のことです?」
天皇: 「日本とドイツとの同盟のことです。」
 沈黙。
天皇: 「わたしもハバナの葉巻をもらいましょうか」
 司令官は葉巻を差し出す。
 天皇はロウソクの火で火をつけようとするが、つかない。
 司令官が「では、私の葉巻から火をおとりください」と言い、ソファへと誘う。
 司令官が火のついた葉巻を口にし、吸い込む。
 天皇がその葉巻に自分の葉巻をつけ、これも吸い込む。 天皇の葉巻にも火がついた。
司令官: 「(つぶやく)現人神(あらひとがみ)でいるのは疲れるでしょう。」
天皇: 「なんと言いましょうか。それは楽ではありません」
天皇はくつろいだ様子を見せる。
天皇: 「それに変人扱いされますからね。たとえば私の趣味の海洋生物学。これも変わってます。」
 得意になってナマズの生態の話を始める。
 興に乗ってきたところで、司令官は急な用を思い出したと言い、席を立つ。
 天皇は一人になる。ソファから立ち上がり、ワルツを踊る仕草をする。
 司令官がドアの陰から天皇の様子を盗み見ている。
 天皇は食卓のローソクを次々に消していく。まるで子供が遊ぶように。
 そして、食卓に座る。
 司令官は早足で大広間に戻ってくると、天皇の隣にあった椅子をつかみ、天皇の後方に置き、腰掛ける。Tete-a-teteの会話が始まる。
司令官: 「アメリカは、どうして魚を自分で捕らないかご存知ですか? 買えるからです。自分で捕るのは面倒ですからね。買えるものは買うのです。これがアメリカのポリシー。ところで、ご家族はいかがですか?」
天皇: 「疎開させております。なにせ、ケダモノが攻めてくるかもしれませんからね。広島に原爆を投下したケダモノが。」
司令官: 「それは私の命令ではありません。では、パールハーバーを攻撃したのもケダモノの仕業ではないのですか?」
天皇: 「それは私抜きで決められたのです。」
司令官: 「だったら、お互い恨みっこなしではないですか?
 写真撮影はどうでした? これをやらせたのは、週刊誌にあなたの写真が載る、多くのアメリカ人がそれを見る、天皇も人間だったんだと確認する、そうすると慈悲のこころが芽生えるというものです。
(ささやくように)心配しないでください。もうあなたの子供たちを疎開させる必要はないのです。
 どうか、考えてみてください。私は何もあなたに無理強いするつもりは毛頭ありません・・・」
天皇: 「ワインをまたいただきます。」
 ワインを飲む天皇の顔に苦悩の色。席を立つ。
 皇居に戻った天皇。明らかに苛立っている。
 心配した侍従を追い払う。
 それでも侍従は心配で様子を見ようとする。
 天皇の苛立ちは頂点に達し、侍従を打擲する。
 天皇は考えに考えた挙句、ふっきれたように人間宣言をすることを決意する。
 皇后が訪ねてくる。ひさし振りの水入らず。
 天皇が皇后に両手を差し出し、再会を喜ぶ。
 腰掛ける。天皇は、不器用に皇后の胸に顔をうずめる。
 皇后は最初とまどった様子を見せるが、いたわり、いつくしむように天皇の頭をなでる。
天皇: 「私は成し遂げたんだ。これで私たちは自由になれる。」
皇后: 「あ、そう。良かったわね。で、何のこと?」
天皇: 「私は神であることの運命を拒絶した。」
皇后: 「あ、そう。 私もそうだと思ったわ。」
天皇: 「もしかして、そうするべきではなかったのかな?」
皇后: 「あら、なにか不都合でもおあり?」
天皇: 「そうだね。何かこう概して不便だからね。」
 天皇一首詠む。
皇后: 「それだけ?」
天皇: 「いまのところね。」
皇后: 「あ、そう。」
 天皇・皇后とも心の重しがとれ、晴れやかな表情をしている。
天皇: 「で、子供たちは?」
皇后: 「(明るく)待ってますよ、大広間で」
 子供と会うのを待ちきれない様子で、手叩きして侍従を呼ぶ天皇と皇后。
 天皇は子供たちのことを思い、浮き浮きしている。
天皇: 「(侍従に向かい)それで私の国民への語りかけを記録してくれた、あの録音技師はどうなったかね?」
侍従: 「自決しました。」
天皇: 「でも止めたんだろうね?」
侍従: 「いいえ」
 天皇と皇后 苦渋の表情で見つめ合う。
 横目で天皇を見つめる皇后のアップ。
 外の光が皇后の白目に当たり不吉な顔に。
 底知れぬ苦悩。現人神でい続けても犠牲者を生み、敗戦を認めても人が死ぬ。
 とはいえ、敗戦を認め人間宣言をする方が、一億総玉砕より良いではないかと思ったかどうか。
 ふっきるように二人は子供たちが待つ広間に向かう。
(本編終了。エンディングタイトル。静かに玉音放送が背景に聞こえてる)

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