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【連載】モスクワスクラップ帳

第20回

『論拠と事実』2003年の新年号は合併号。表紙を日本でもおなじみの新体操のスーパースター、カバエヴァが飾った最初の号からスクラップしたのは、4件でした。

愚か者の夢
クリチコ−マクレインを倒し、次はタイソンの耳だ
スターリンはいつ死んだのか?
2002年の年間ブックスベストセラー


愚か者の夢

 アンドレイ・コンチャロフスキイの話題の映画「愚か者の夢」がやっと公開される。この映画はベネチア映画祭で受賞、ロシアではオスカーを受賞した作品。政治、芸術、道徳界でスキャンダルに近い批評が繰り出された。第一次チェチェン戦争の時代が背景。

 かなりの話題作のようだが、果たして日本で公開されるのか?

クリチコ−マクレインを倒し、次はタイソンの耳だ

 ジャミール・マクレインとの一戦に勝利したウクライナのヘビー級ボクサー、クリチコに、タイソンとの一戦のオファーが来た。
 「もしもおまえに勇気があるなら、俺に電話してきな」とはタイソンの談。
 クリチコは26歳。まだこの申し出を受けるかどうかは不明。

スターリンはいつ死んだのか?

 昨年の49号にスクープ記事として掲載された「クレムリンの主人は、自らの死よりも前に死んだ」に対して、自分の父親が、この記事にでて来るクレムリンの幹部と親しかったというワレリー・ニコリスキイの、父の思い出から、スターリンがいつ死んだかを推定。

2002年の年間ブックスベストセラー

 昨年の年間ベストセラー。

フィクション

1.パウロ・コエリオ「錬金術者」
2.パトリック・ジュスキンド「香水販売人」
3.ジョアンナ・ローリング「ハリー・ボッターと賢者の石」
4.ジョアンナ・ローリング「ハリー・ボッターと秘密の部屋」
5.ジョアンナ・ローリング「ハリー・ボッターとアズカバンの囚人」
6.ボリス・アクーニン「死の色男」
7.ベネディクト・エロフェーエフ「モスクワ」
8.ボリス・アクーニン「死の色女」
9.パウロ・コエリオ「世界戦争の本」
10.ボリス・アクーニン「アゼル」

ノンフィクション

1.エルンスト・ムルダーシェフ「神の町を探して」
2.エルンスト・ムルダーシェフ「私の祖先は誰か」
3.ハッセイオン「室内植物についてのすべて」
4.ファイナ・ラネーフスカヤ「出来事・ジョーク・アフォリズム」
5.キイオサキ&レクテル「金持ちのパパ、貧乏なパパ」
6.ミハイル・シェティーニン「ストレリニコーヴァの呼吸体操」
7.ウラジーミル・レヴィ「恐怖の馴化」
8.ベネディクト・エロフェーエフ「役に立たない鉱物」
9.ウラジーミル・レヴィ「恐怖の馴化」
10.ミルザカリム・ノルベコフ「愚か者の実験−いかにして眼鏡から逃れられるか」

 日本と同じようにハリー・ポッターが上位を占める。それと同じ作家のものがランキングされているのも日本と同じ現象といえるかもしれない。朝日新聞でおおきく取り上げられた村上春樹ブームだが、年間ベストテンにはランキングはされなかった。アクーニンはかなりの人気だ。ノンフィクションの一位・二位はこのコーナーでも何度も紹介しているエジプト探検隊のムルダーシェフの遠征レポートが入っているのにちと驚く。内容的には現実とはかなりかけはなれている古代ミステリーのような気がするのだが・・・・。あとはハウーツウーものが多いようだ


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