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クマの観覧雑記帳

『KOYOマイムライブin仙台』

日時 2001年12月10日(月)午後7時開演
会場 エルパーク仙台
公演時間 1時間50分
出演 山本光洋、ななな


 山本光洋が、ゲストを迎えて演じるソロライブは、昨年の新潟でサンキュー手塚と一緒にやっているが、今回の方が数段ヴァラエティーに富み、テンポもあってよかった。
 ひとつは今回のゲストなななが、手塚の時とはちがい、光洋の演ずる合間に登場したことが大きいと思う。
 光洋は今年チャレンジしたモノをつかった作品もとり入れることで、ずいぶんと幅が広がった。しかも今回はなななが合間で出てくるので、着替えの時間もできたし、演目を選ぶスタンスも広がったように思える。こうした公演をすることで、光洋の可能性もまた広がってくるのかもしれない。
 一部はいわばヴァラエティショーで、確実に観客を笑わせるところにポイントを持っていく構成となっている。モノをつかった演目がその意味で効果的だった。
 二部は雰囲気を少し変えて、手の動きをクローズアップしたマイムからはじまり、なななの副作用をはさみ、赤ん坊が大きくなってしまうというベイビーから、おなじみの記念撮影につないでいくところに、ストーリー性が浮かび上がる構成だ。
 去年の新潟では、この前にコンドームのコントを入れていたが、今回の方が構成的にはすっきりしていたように思える。
 今年のモノをつかったソロライブの実験などをいかし、ディミトリーの『ポーター』のような作品をそろそろつくる時期に来ているのではないかという気がした。その時は『KOYO マイムライブ』ではなく、違うタイトルで、クラウンをより強く意識した方がいいように思える。
 ゲスト出演のなななも、「洗濯機」、「パートOL」、「副作用」というすでにねりあげられた作品を余裕をもって演じていたと思う。なななはいまソロライブを敢行中だが、こうしたネタを今回のように誰かと組んで演じる中で、もしかしたらいろいろ方向性も見えてくるのかもしれないと思う。

 今回のプログラムは下記の通り。

新聞〜かたつむり
綱引き、糸ひき、客ひき
遠近法
夏のバター
ニワトリのマジックショー
重量挙げ
幸せなら手をたたこう
(お洗濯)−ななな
首なしコート
(パートOL)−ななな
さかだち君
美女と野獣
 休憩
(副作用)−ななな
ベイビー
記念撮影
ハダカの王様

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