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【連載】モスクワスクラップ帳

第34回

6号から
 背後の天使
 そこは恐竜たちが倒れなかったところだ
7号から
 誰がロシアで一番の金持ちか
 杖をついた巨人−アレクサンドル・シゾネンコ
 ヌレーエフとヌレーエフ
 ブトゥーソフは悲劇を綴る
 エイリアンにつかまった3日間
 何を読むか−ポッターからプーチンまで


6号の記事から

この号で驚いたのは、大統領選挙を前にして現職のプーチンの所信表明が6頁にわたって紹介されていることだった。ほかの候補者の意見をまったく載せずに、プーチンの意見だけをこれだけ大きくスペースをさいて紹介するのはどうなのだろう。このあと対立候補のイリーナ袴田のインタビュー記事が投票直前にでているのだが、マスコミのプーチン肩入れを裏付けるものといえないだろうか。

背後の天使

ロシア現代史中央美術館で開催された「マルク・シャガール−聖書のテーマ」展についての紹介記事。クンストガレーリン・ボッチンングゲルハウスのコレクションから77作品が展示されている。

そこは恐竜たちが倒れなかったところだ

モスクワ近郊で発見されたという恐竜の化石や骨を見つけたという人間が現れ、話題になる。何故ならモスクワ近郊は、恐竜たちが生存してなかったというのが通説であるからだ。

来年の愛知博で氷河のしたにあるマンモスを展示するのが目玉になるという話だが、ロシアでは今後こうした恐竜ビジネスがますますでて来るかもしれない。

 

7号の記事から

誰がロシアで一番の金持ちか

ロシアの雑誌「フィナンス」で富豪ランキングが発表された。一位はR・アブラモヴィッチ(チュクチ半島の知事)1億2千万ドルの資産。

イギリスのプレミアリーグのサッカチームをロシア人が買収しておおいに話題になったが、ロシアのリッチマンたちが今後世界に飛び出すことは間違いあるまい。

杖をついた巨人−アレクサンドル・シゾネンコ

80年代初頭ゴールポストの前にはりつき得点を重ねた230センチのバスケットボールの選手がいた。現在45歳、身長243センチになったシゾネンコを訪問、取材。

この選手には記憶がある。しかし身長があれからも伸び続けていたというのはすごいな。

ヌレーエフとヌレーエフ

エジット・ピアフに続き、ビクチュークが再び有名人の生涯を追いかける作品を演出。とりあげられるのはダンサーのヌレーエフ、ほとんど知られていない劇作家アザト・アブドゥレリーナの戯曲から演出。タイトルは「ここではない庭」。

ブトゥーソフは悲劇を綴る

スラーバ・ブトゥーソフは最近、亡くなったセルゲイ・ボドロフに捧げた歌『エホーロフ』をつくった。これはあたらしいアルバムにいれられる予定。このなかでは三人の亡くなった友人たちの捧げられた歌がはいることになっている。ボドロフ、クレーヒン、そしてビクトル・ツォイ。

エイリアンにつかまった3日間

2001年10月10日クラスノダールでUFOが目撃され、11日の未明にかけてロシア各地でUFOを目撃したという人が数多く出現。「10月11日現象」と呼ばれる。この現象について詳しく追いかける。

ほんとうにこの手の話が多い。しかし10月11日現象などと呼ばれ、広範囲で目撃されているわけだから、興味ぶかいといえば興味深い。日テレあたりがとびつきそうなネタなような気がするのだが・・・

何を読むか−ポッターからプーチンまで

ベストセラーの紹介。一位はアクーニンの「ダイヤモンドの馬車」、村上春樹の「私の恋人スプートニク」が三位。注目されるのはキール・ブリチェフの「隠れ家」。これは児童ファンタジーの第一人者で、ローリングに並ぶと国内で評判のファンタジー作家の最後の作品でもある。翻訳ものでは二位の犯罪バラード「南の王女」(アルトゥーロ・ペレス−ロベルチェ)が注目される。

なんでもアクーニンのこの新作は明治の日本、日露戦争などが舞台になっているらしい。翻訳がでるだろうなあ。児童ファンタジーの「隠れ家」はちょっと興味がある。


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