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神彰伝取材ノート

第1回 編集者との第一回打ち合わせ

2002年11月29日

 神彰の評伝を本にしてくれるというとてもありがたい申し出をしてくれた出版社の編集の人と、初めてのミーティング。といっても会うのは、これが初めてではない。正直言って、こんなお固い出版社が、神彰の評伝を出すことをよく決意してくれたと思う。
 とてもうれしかったのは、値段を2000円前半にしたいといってくれたこと。いままで出した本では一番原稿量も多いし、写真とかもたくさんいれたいと思っていて、コスト的にはとてもたいへんだと思うのだが、専門書ではないし、ふつうの本好きの人が買って読みたいという本にしたい、そのためには単価が問題だと思っていたのだが、こうした申し出が編集サイドから出されたことはうれしい。
 来年秋出版を目標にということになった。
 ダラダラ書いている時ではない、そんなことを思っていたので、いい目安になった。
 呼び屋の頂点にたどりついたところまでは書いて、自分では3分の2は終わったと思いこんでいた。でも内容的にはまだまだ書きたいことがあるし、書かねばならないと思っている。いままで出した本は、3分の2書いたあたりで、もう終わりという感じで、あとは惰性で走ってしまうケースが多かった。でも今回はちがう。神彰という人間を書きつくしたいと真剣に思っている。それは私にとっての神彰ということではなく、神彰というとんでもない生きかたをした男の話をまず知ってもらいたいといをことがあるからだ。
 今日の一番の収穫は、自分のなかで締め切りができたことである。取材をはじめて3年になる。取材に協力していただいた人に、とにかく本というかたちにして、読んでもらいたいと思う。
 週刊新潮のT氏から連絡。神彰の葬式の時に弔辞を読んだ野平氏と、神と縁深い椎名氏と連絡をとってもらっていたのだが、喜んで取材に応じてくれるとのこと。来月10日に会うことになった。どんな話が聞けるかとても楽しみだ。
 ということで、気持ちの高ぶりを押さえることができず、この日は遅くまでかかって今後の進行表をつくる。うーん、やる気が湧いてきた。
もないエネルギーを感じている。いい本になる予感がしている。


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