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ヤマサキ・ファイル1 [ヤマサキ本人の取調べ記録]

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ファイルナンバー        


 

ファイルナンバー 該当頁 2 日付  
タイトル 裏表紙
内容  

ソ連邦
NKVD(内務人民委員会)
モスクワ州局



  ロシア共和国法令10条58項についてヤマサキ訴訟に関する書類
  265017    巻 35

  開始 1937年 7月23日
終了 1937年10月26日
巻数 (黒で消されている)

 

ファイルナンバー 該当頁 5 日付  
タイトル 取り調べ実施についての決定
内容 取り調べ開始の決定書

 モスクワ州ナロ・フミンスク町
 1937年7 月23日, 国家安全局上級大尉で UNKVDナルフォミンスク責任者である私こと、ラザレフは、市民ヤマサキ・キヨシに関して取り調べられ資料を吟味し、以下の点を考慮に入れた。ヤマサキ・キヨシは党及びソビエト権力によって実施されている施策に対してたえず、反ソ的な煽動を行い、コルホーズに関しても挑発的な噂を流布した。


決   定

 ヤマサキに対しての取り調べを始めること, また自分がそれを受け持つこと。

UNKVDナルフォミンスク責任者
国家安全局上級大尉 ラザレフ
サイン

 

ファイルナンバー 該当頁 6 日付  
タイトル ナンバー15773 に対するヤマサキ逮捕令状
内容 逮捕令状

[ レターヘッド]
    ソ連邦内務人民委員会モスクワ州局(タイプ)
    国家安全局モスクワ州(タイプ)
    ナル・フォミンスク(手書き)



逮捕令状 NO.15773


ソ連邦内務人民委員会モスクワ州局ナル・フォミンスク支部の職員×(一字判読不可能)araliev,Xに市民ヤマサキ・キヨシの逮捕の実施を行うことを命じる。

住所: モスクワ州ナロフォミンスク郡ゴルチヒモ村

注釈: 全ての公務員や市民は逮捕令状を出した人に名前を明かし、早期の解明のために全
面的な協力をしなければならない。 


国家安全局モスクワ州
ナロフォミンスク上級大尉
ラザレフではないが判読不能

 

ファイルナンバー 該当頁 7〜8 日付  1937年 7月23日
タイトル ヤマサキ捜査の議事録
内容 逮捕施行についての所持品、立会人など

 ソ連邦内務人民委員会モスクワ州国家安全局の1937.7.23付け逮捕令状NO.15773に基づき、モスクワ州ナロフォミンスク郡ゴルチヒモ村の×××××(判読不能)で、ヤマサキ・キヨシが捜査・逮捕された。

 捜査に立ち会い人: ナロフォミンスクソビエトの×××××(判読不能) の代理人,
XOXLOV Ja T  と ×××××(判読不能) (ドミトリョーフの娘)
             (多分管理人)
 命令に同意して拘留された市民
 ヤマサキ・キヨシ

 ソ連邦内務人民委員会モスクワ州国家安全局に届けられるため押収されたものは次の通りである
 1. ヤマサキ・キヨシの5 年有効のパスポート
   番号は580492でナロフォミンスクのPOM 交付
 2. 軍人手帳
 3. 取消しの横線


備考:
 ヤマサキの鍵の掛かった箱が(封印・開封) された。
 鍵は ×××××(判読不能)に預けられた。
     (多分管理人)


(以下タイプ印刷- マニュアル形式)
 申告・請求はすべてこの調書に記入されねばならない。調書に署名のあとは、いかなる申告・請求も受け入れられない。
 すべての照会はソ連邦内務人民委員会モスクワ州国家安全局, 住所ジェルジンスキイ通り14番地, 宛に、逮捕状番号、発行期日、いつ捜査されたかを明らかにしたうえで行うこと。

XOXLOV Ja T のサイン

住宅管理所所長(タイプ)  ××××(判読不能)のサイン


(以下タイプ印刷- マニュアル形式)
 捜査を行ったソ連邦内務人民委員会モスクワ州国家安全局OPERAOD の軍事委員
                      (サインなし)

      調書のコピーを受け取った(サインなし)

 1937年 7月23日

 

ファイルナンバー 該当頁 9 日付  
タイトル 受領書(全て手書き)
内容 ヤマサキ名のパスポート受領に関する
ナルフォミンスクRKM部パスポート課の受領書


 二行分判読不能

 1937年2月27日発行ヤマサキ・キヨシ名,BI-580492の5年有効パスポートが届いた。

 1937年8月19日     サイン(判読不能)

 

ファイルナンバー 該当頁 10〜11 日付  1937年 7月23日
タイトル 逮捕人の身元調査書
内容 ヤマサキの身元調書(マニュアルにしたがってのもの)

   [身元調書の質問事項がタイプ印刷, 答えは手書き]
   [非公開情報のスタンプあり, 照会について37年 7月31日の手書き]

質   問 答   え
 1. 姓 ヤマサキ
 2. 名前・父称 キヨシ
 3. 生年/生地 1900年
日本・東京
 4. 居住地(住所) モスクワ州ナロフォミンスク郡ゴルチヒモ地区
 5. 勤務地と職業もしくは職種 ナロフォミンスク工場の公共住居部の電気技師
 6. 職業, 所属労働組合, 組合証番号 労働組合には所属せず
 7. 逮捕時の財産所有状況(動産・不動産を問わず正確に記入:建築物, 農業器材, 農耕地の広さ, 家畜, 馬などの数, 農業や個人に関する税金の総額, もしもコルホーズ員であるなら、コルホーズに入る以前と入会したときの所有状況も) 特に所有しておらず
 8. 1929年までの財産所有状況 なし
 9. 1917年までの財産所有状況 なし
10. 逮捕時の社会的地位 電気技師の労働者
11. 帝政ロシア時代の軍隊勤務,身分 1914年から1917年まで兵卒
12. 白軍での軍隊勤務, 身分 1917年より1921年まで兵卒(赤で?あり)
13. 赤軍での軍隊勤務, 身分
  ・期間・軍種
記名なし
14. 社会的出身 1912年日本大使館で聞いたところでは私の父は日本海軍に勤務していた
15. 政治的過去 なし
16. ナショナリティ, 国籍 日本人(アンダーラインあり),国籍はソ連
17. 党活動, 何時から, 党員証番号 1927年より35年まで党員,1935 年に逮捕のため除籍
18. 教育(最終学歴を正確に線をひいて示しなさい) 高等・中等・初等・文盲(タイプ)
(初等にアンダーライン)
19. 軍の登録での職種 ナロフォミンスクに登録,
兵卒
20. 裁判や取り調べの有無, 同様に判決や決議内容 1935年ナロフォミンスクで、反党的活動をしたという理由で逮捕された。
21. 健康状態 健康
22. 家族構成(父・母・姉妹・兄弟・息子・娘を書き入れ、彼らの姓名・父称、勤務所・職種、住所も記入)
続柄 姓名・父称 年齢 職業 住まい
ヤマサキ・バラゲイヤ・ニキフォロブナ 30才 主婦 ナロフォミンスク郡
カメンスキイ通り
息子 ヤマサキ・アレクセイ・キヨシ 3才    
息子 ヤマサキ・ウラジミール・キヨシ 3月    


        逮捕された者の署名   ヤマサキのサイン


1. 外見の特徴 空欄
2. 逮捕された時と逮捕した人 ナロフォミンスクソ連邦内務人民委員会モスクワ州国家安全局
3. 特記事項 空欄


         身元調査書を記入した人のサイン                
          現在モスクワの幼稚園にいる。 判読不明者のサイン


1937年 7月23日



欄外に注意書(タイプ印刷)
1. 身元調査書は逮捕された人の言葉を正確に分かりやすい文字で記入すること、また補足資料によって正確を期すこと
2. 身元調査書の資料は取り調べの過程で吟味され、事件の最終的な決定、判決のときに反映される。

 

ファイルナンバー 該当頁 12 日付  1937年 7月23日
タイトル 告訴と強制措置採用についての決定書
内容 ヤマサキに対する告訴状(容疑内容, 身柄拘束の正式決定)

 都市:モスクワ州ナロフォミンスク郡。1937年7月23日
 ソ連邦内務人民委員会ナロフォミンスク支部責任者であるラザレフは、No.(未記入)の事件についての取り調べ資料を吟味し、以下の点を考慮に入れた。
 ヤマサキ・キヨシ(1900年生まれ, 日本人, 共産党を除籍, 初等教育, モスクワ州ナロフォミンスク郡ゴルチヒモ地区に住まい, 現在ナロフォミンスク工場の公共住居部の電気技師として働く) の以下の罪状が明らかにされた。
 1935年に共産党を除籍された理由とは、相応の地位を占めるコミュニストだけが、いい暮らしをすることができ、我々は暮らしも悪く、たくさん働かされるのに、食べ物がないという煽動的な噂を流布させたことである。


決   定
 ヤマサキ・キヨシは58条10項の被告としてみなされ、取り調べや裁判の回避を免れなくするための強制措置として、ソ連邦内務人民委員会のブッティールスカ刑務所に監禁拘置することを採用する

ナロフォミンスク支部責任者
国家安全局上級大尉   ラザレフ
                 サイン


   この決定を私は認めます(タイプ文)      日付欄  空欄
       被告人のサイン      ヤマサキのサイン



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