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『日本滞在日記』レザーノフ 著・大島 幹雄 訳

岩波文庫(青 479-1) / 2000年 / 800円(税別) / 440P / 15cm / NDC:210.55 / ISBN:4-00-334791-9


岩波文庫『日本滞在日記』の表紙
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目 次

訳者序
図版一覧

一 カムチャツカから長崎まで
二 長崎来航
三 神崎沖にて
四 木鉢にて
五 梅ヶ崎上陸
六 太十郎自殺未遂事件
七 レザーノフの病
八 庄左衛門の陰謀
九 警固兵たちとの交流
一〇 日露交渉会談
一一 通詞たちの秘密工作
十二 帰国の途へ

付録一 日本への外交使節団のためのルミャンツェフからレザーノフへの指令書(抄訳)(一八三〇年七月十日)
付録二 アレクサンドル皇帝の国書翻訳(レザーノフ持参のもの)
付録三 アレクサンドル皇帝の国書訳文(ロシア語より)
付録四 「御教諭御書附」「長崎奉行申渡」

訳注
解説

書 評

週刊デラシネ通信「レザーノフの「日本滞在日記」が、2000年文庫本ベスト3に選ばれてしまった」

日経新聞 2000年9月3日

一八〇四年、通商を求めるため長崎に来航したロシア全権大使が、翌年まで書き続けた滞在記。長らく出版を禁じられてきたが、一九九四年に初公刊された。本書はその翻訳。レザーノフは半年余りも長崎で足止めされ、ようやく幕府が派遣した目付との交渉でも成果は得られなかった。両国の思惑が行き違う様子や、当時の長崎の状況が活写されている。彼の来航を機に、日口関係は急速に緊迫していった。今日の対ロシア問題を考えるうえでも貴重な資料だ。大島幹雄訳。(岩波文庫・八〇〇円)

読売新聞 2000年9月3日

「幕末の長崎に来航したロシア通商大使レザーノフの半年の滞在記。失敗に終わった交渉の裏面や幕末の世相、日本の通訳たちが活写されている。原本は出版が禁じられ、九四年に初めて公刊された」

朝日新聞 2000年9月24日

「約200年前、通商を求めて来日したが、交渉に失敗したロシア特命大使の長崎滞在記。鎖国政策下の日本のあいまいな対応への著者のいら立ちと同時に、開国への胎動も読みとれる。今も厳しい交渉が続く日口交流の第一ぺ一ジを活写した一冊。」

産経新聞 2000年10月2日

「一八〇四年九月、長碕に通商を求めて来航したロシアのレザーノフは半年あまりにわたって日本に滞在することとなった。その間に見聞きしたことを克明に日記につづった。この日記はロシアで、そしてソ連で公開が禁止されていたが、一九九四年に初めて公刊された。日露交流史の貴重な史料」


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