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カバレット・チッタ制作ノート2

7月10日、『カバレットチッタ』Vol.1が終わりました。制作ノート2では、反響を紹介したり、当日の進行表などをアップしたいと思っています。

カフェ・クマでは公演をご覧になった方の書き込みをお待ちしています!

7月10日 熱い公演でした。
7月12日 続々反響が・・・
7月17日 ビデオと写真
7月23日 精算
7月26日 キューバとロシアのキャバレー
7月31日 反省会 新宿TOPS


2002年7月11日 木曜日 1:13a.m.

7月10日 熱い公演でした。

正直言って不安だらけの状態で、迎えた公演。
まずはこの台風。昨日家に帰って、こんなに近くまで来ていたのという感じで、一発かまされてしまっていた。会社に電話すると、案の定、キャンセルの電話がかなりきているという。200を超えるかどうか、それを心配していたのに、この台風で、いったいどうなるのだろう。持ち出しは覚悟していたが、100とかの数字になったら、俺はいくら持ち出したらいいの、そんな気持ちに陥る。しかもめざましTVの占いでは、最悪。ラッキーパーソンは傘をさした人だって。どういう意味だよよといいたくなる。
腹を括るしかない。
それと内容に関しても、ミュージシャンサイドから、ダメだし。もっと一体感をだそうよということ。たしかに、昨日のリハでは段取りだけで終わっていて、一緒にやろうよ、楽しんでやろうよという感じがすくなかった。通しの前に、みんな集まってミーティング。そのへんのことを確認し合う。
そしてミュージシャンの立ち位置も、全体的に前にだすようにする。
通しをして、エンディングを少し直して、本番。
驚いたのは、お客さんがどんどん来たこと。椅子を追加しなくてはならなくなる。
ほぼ満員という、朝の時点では予想もしなかった結果に。
公演内容もよかったのではないだろうか。公演後いろんな人から面白かったと、声をかけられる。
パフォーマーも、ミュージシャンも満足感があったと思う。
もちろんいろんなことで、やり残したこと、徹底できなかったことはあるし、制作をしていた自分に対する不満はあるのだが、これだけお客さんが集まり、喜こんでくれたのは、成功といってもいいのではないかと思う。
内容、そして制作の人間としての反省点、そんなことはいずれまとめていきたいと思うのだが、梅津さん、巻上さん、多田さん、小出他、パフォーマーのメンバーの、公演後の晴れやかな顔を見たとき、正直言って嬉しかった。
これでとりあえず第一歩を踏み出せたかなという感じだ。
今回の公演で一番のNG君は、制作サイド、つまり自分だったということを痛感させられもした。
いずれこのあたりの話は、ねっちり、ゆっくりこの制作ノートのなかで、していきたいと思っている。
今日のところは、なにはともあれ、終わって良かった、お客さんがきてくれて良かった、ホットした、それにつきる。

プログラムはこちら


2002年7月12日 金曜日 4:40p.m.

7月12日 続々反響が・・・

公演が終わって、見た人の感想がいろいろ届きはじめた。
ネットの世界でも、この談話室に一度登場いただいている嶋田さんが、ご自分のHPで、公演があったその日に評を書き、掲載している。またジャグリングのメーリングリストでも、詳細な感想・評の投稿があった。いずれここでも紹介したいと思っている。
公演を見てくれた私の友人たちからも、感想が寄せられている。
そんな中から、アトランダムに紹介してみたい。

「ドリンクタイムのような休憩があってもよかったのでは」
「試みは良かった。今時あんなに年代層がバラバラの客が同じ場所で楽しめるものってないじゃないか」
「出演しているパフォーマーが、全部日本人(王輝さんも在日だからいれておく)だったのは良かったのでは」
「芸人がミュージシャンに負けているので(悪く言えば、音楽で持ったいた?)、王輝さん以外はパフォーマンスが音楽の合間の添え物的な印象も。これは音楽とパフォーマンスの繋ぎというかコラボレーションがうまく機能していなかったことにも要因があるのかも知れない」
「王さんって若い頃の毒蝮三太夫に似てる」

ゆったりと、飲みながらというつもりだったのが、確かに空間的にも、構成上も、そんな余裕がつくれなかった。ドリンクタイムもあってよかったかもしれない。
構成上の問題は確かにいろいろあった。MCを立ててもよかったかと思う。小出が天皇ででちゃったので、時事ネタ(ニュースと天気予報のようなもの)をする間がなかった。
音楽とパフォーマーのコラボレーションというところまでは、いけなかった。王輝やKajaぐらいが、対等にやっていたかなあという感じだ。ただこの経験を生かして、パフォーマーが音楽隊に迫ってくれると、また面白くなるし、それができるはずだと思っている。

とまあ、こんなことでもしもカバチッタみたかたがいらっしゃいましたら、是非この欄に投稿していただければと思います。
嶋田さんや他の方の評も随時リンクしたり、紹介したりしていきます。

プログラムと評はこちら


2002年7月17日 水曜日 11:23a.m.

7月17日 ビデオと写真

ちちちちさん、ご投稿ありがとうございました。楽しんでもらったことが一番です。もっともっと次回の公演では楽しんでいただけるように、がんばります。

公演中に撮ってもらったビデオと写真が届いた。ビデオはチッタご自慢のビデオ室から撮ったもので、3つのカメラをつかった本格的なもの。なかなか見応えがある。プロモーションや出演したアーティストの保存用としてだけでなく、なにかいろいろ使い道があるような気がする。
それと写真。これは森直実さんに撮ってもらった。森さんは、本職は中学校の美術の先生なのだが、大道芸の写真を撮らしたらピカイチ。野毛大道芸のポスターのデザインもやっているし、写真集も出している。
いい写真が出来あがった。熱いステージの臨場感が伝わってくるし、ひとりひとりのアーティストの表情がよく出ている。
デラシネのカバチッタ制作ノートの中でも、何点か紹介したいと思っている。
今回はクオリティーの高い公演資料ができたので、あとは、これを次回の公演でどう生かすか、これが大事になる。

森直実さんの写真はこちら (別ウィンドウで開きます)
写真付プログラム(小)(大)


2002年7月24日 水曜日 10:39a.m.

7月23日 精算

先週金曜日、クラブチッタに手売りで販売したチケット代を納入。入場収入が出たところで、精算について打合せ。
どうがんばっても、およそ二十万の赤字になってしまった。今回はどれだけ支出がでるのか、どのくらいの収入があるのか、まったく見とおしのないままに、やってしまえということで、突っ走ったので、赤字がでるかもしれないというのは、あらかじめ読めていた。クラブチッタ側もぎりぎりの線に支出を押さえてくれたし、カバB事務局側も、かなりいろんな人たちに無理を言って、支出を押さえてきた。このぐらいの赤字で済んだことは、台風のことを考えると、上出来といえるかもしれない。
今回の赤字は、次回のカバチッタでなんとか補てんしていくしかない。
今回程度のことをやろうと思うと、同じぐらいの支出をみなければならないということであり、これに応じた収入のメドをつけることが必要になる。今回は、なるだけ低料金にして、その分たくさんのお客さんを集客しようということだったが、もう500円でも、入場料金が高ければ、トントンぐらいまではいった。その意味で、次回の入場料金の設定を一度考える必要があるかもしれない。
次回は今回の収支をベースにして、予算書をつくり取り組めるということだ。最初は赤が出ても、とにかくやることが先決だったということを考えれば、この程度で済んで良かったというところではないだろうか。もしあの台風の中、入場者が100人台だったら、えらいことになっていた。
いずれにせよ、次回の公演のためのアウトラインができたということだ。これを生かしていくことが大事。


2002年7月26日 金曜日 10:44a.m.

7月26日 キューバとロシアのキャバレー

朝めざましTVで、長崎のハウステンボスで開催中のキューバのキャバレーショー「トロピカーナ」の紹介があった。キューバーのキャバレーについては、いろいろ耳にしてきた。カリビアン音楽とダンスを主体としたもので、海辺でやるらしいのだが、乗りのいい音楽をバックに、解放感と爽快感が、とても楽しそう。作家の村上龍が、ずいぶん前から触れ込んでいたが、彼のインタビューもテレビで流れていた。村上は「キューバーにはたくさんのキャバレーがあって」と言っていたが、こういうかたちでキャバレーという言葉が使われていくことはとてもいいことだと思う。
長崎でのショーはかなりの人数で、本格的なもののようだ。とても長崎までは行けないだろうが、ちょっと見てみたい気がする。リラックスしてショーを見るというのが、ひとつのポイントになっているようだ。
新聞の折り込みチラシで、横須賀芸術劇場で11月2日に、ロシアのキャバレーではないが、レビューショーをやることも知った。こちらはロシアのホテルなどでやっている、歌と踊りのレビューショーのようだ。あまり面白そうではないのだが、ちょっと気になる。
問題はキャバレーという言葉の中で、自分がどういうショーをつくっていくのかということだろう。いろんなかたちでキャバレーがひとり歩きすることはいいことだと思う。今回はとにかくやっちぇということで始めたが、キャバレーショーをつくっていくなかで、どんなメッセージーをおりこんでいくのか、それが大事になるかもしれない。


2002年8月1日 木曜日 2:36p.m.

7月31日 反省会 新宿TOPS

公演のあと、巻上さんはアルタイ、梅津さんたちもマレーシアツアーなど、それぞれ忙しくて、今回の公演の反省会をする時間がなかった。まだ熱気が残っているうちに集まりたいといっていたのだが、三週間経ってからの反省会となった。出席したのは、梅津さん、多田さん、制作の私とplanBの斉藤氏の四人。
森さんが撮った写真や、アンケートを見ながら、それぞれが感じたこと、反省点を話し合った。
やはりやって見なければ、ここが良かった、悪かったと言えないわけで、その意味ではやったことに意義があったということでは、みんな同じ意見であった。それを前提にして、反省材料としては、ディレクターの不在ということが出てきた。ミュージシャンとパフォーマーのコラボレーションなのだが、それを総合してみる人が必要だったのではないか、これは自分が一番感じたことなのだが・・・ただこれについてもやってみなければわからなかったということもあるし、もうひとつじゃ誰が適任かという問題もある。そして演出家の色が出すぎるというのも、キャバレーという世界と違ってくるのではないかということもある。
二回目については、とりあえずは誰か演出家をたてるということはしないということになった。
反省会というよりは、次回をどうしようかという話で盛りあがる。上海歌謡を歌うようなボーカルを入れようとか、客席の片隅にピアノを置いて、年取ったピアニストのおじさんを入れよう、MCも入れたいとか、いろいろなアイディアが出てくる。
一応チッタの会場の問題もあるが、次回は1月ということで進めていくことになったが、その間にそれぞれがいろんなものを見て、出演者についてもアイディアを出していこうということになった。
二回目が大事になるはずだ。一回経験したわけだから、次はもっともっと驚きに満ちたキャバレーをつくりたい。


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