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週刊デラシネ通信 今週のトピックス(2001.05.08)
『BPズーム』大阪でブレーク

 5月4日から5月6日まで、大阪のHEP HALLで公演がおこなわれた『BPズーム』は、大盛況のうちに幕を閉じました。
 公演1週間前までは、ほとんど券が動かず、いったいどんな公演になるのか危惧されたのですが、朝日新聞に紹介記事が掲載されてから、急速に申し込みが増え、とりあえず初演は一杯になり、2日目、3日目はそこそこという感じになり、関係者一同とりあえず、ほっと一息つき、初日の幕があがりました。
 ブレークしたのは、初演のあと。翌日から問い合わせの電話が殺到、20枚売れて御の字という当日券が、2日目が30枚、3日目にいたっては50枚ちかくと、HEPでも例のない売れ行きをみせました。ほとんどマスコミでは紹介されることがなかっただけに、この伸びはすべて口コミによるものだと思います。久しぶりに口コミの凄さを知らされた公演でした。
 ブレークした原因はいくつか考えられます。
 ひとつは、券売がのびなかった時に、今回の日本公演の舞台監督が教鞭をとっている宝塚北高校や劇団関係者たちに呼びかけてくれ、100枚程度の基礎票があったこと。これはボディーブローのようにとても効果があったと思います。しかも初日見てくれた人たちが、「これはオモロイで」と口コミを流したこと、これが大きかったように思います。
 もうひとつは、公演の時にやったデモンストレーション。これについては観覧雑記でも書きましたが、結果的に何人かが、BPズームをついて館内をまわって、入場券を買ってしまった、これが当日券の飛躍的な伸びにもつながったのではないでしょうか。
 あとはワークショップの参加者が、教えてもらうだけでいいと思ったのが、このBPズームは一体舞台でどんなステージを見せてくれるのだろうかと、入場券を買ってくれたことです。しかも一回だけでなく、二回とか三回見に来たひとたちを見かけました。
 ワークショップ、デモンストレーションという付属したイベントが、本公演の集客にうまくつながったと言えるかもしれません。
 それと大阪という笑いを素直に受けとめる土地柄もあったのかもしれません。BPズームのつくっている笑いは、確とした基本のうえで構成されているものですが、見る人はそんなことは関係なく、理屈抜きで楽しめるものです。大阪は寄席や、吉本など、笑いに関しては貪欲で、お金を払って笑いを楽しむということが、生活の中に定着しているといえます。2000円払ってこんなに笑えた、大満足というお客さんがたくさんいました。これが東京になると、笑うだけで終わってしまった、たしかに楽しめたけど、これでいいの、みたいな人が結構いるのです。笑いに対するスタンスが、素直じゃないというか、一歩引き下がって見ているように思えます。東京でこれだけ口コミがひろがるという保証はないでしょう。
 大成功といえる公演でしたが、大阪だからということもあるかもしれません。
 そんなことを考えながら、次の機会東京で公演をする時に、どんなことを仕掛けていくか、いまから策を練っているところです。
 『デラシネ通信』6月号では、BPズームの笑いに少し突っ込んでみようかなと思っています。


クマの観覧雑記帳
BPズーム・デモンストレーション


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