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【連載】モスクワスクラップ帳

第53回

「論拠と事実」の3月9号から4月18号までの記事から。

一ヶ月ほど「論拠と事実」がモスクワから送られてこなかった。なんでも突然急な値上げを言ってきたらしい。どんな風に解決したかはわからないが、4月にまとめてドカンときてしまった。今年は、あまり間をあけないで掲載したいと思っていたのに、またこれで間隔があいてしまった。今回はとりあえず3月・4月の二ヶ月分を紹介する。

2006年3月9号
 奇蹟の形象
 シェフチュクは自由のシンボルになった
 何故観客を羊にかえてしまうのか
2006年3月10号
 幼児フェチの徒党を弁護士が率いる
 どうしてチェブラーシカが中国で
2006年3月11号
 100年経ったら目覚めなさい
2006年3月12号
 調律師や捨て駒は同志ではない
 バイリンガル犬はいかにして4世代を養うことになったか
2006年3月13号
 古代エネルギーの秘密
2006年4月14号
 地球への診断
 ハブ寺院の謎
 レントゲン−娘
2006年4月15号
 タイタニック号からロシアのジギド
 タトゥ「私の代りはいるかもしれないけど、くり返すのは無理」
2006年4月16号
 どうして芸術で観客を拷問するのか?
 古代人は実験室でつくられた
 知ってますか?
2006年4月17号
 巨人たちの秘密の機械
 カスマノフ対シェフチュク
 コンサート情報

2006年3月9号

奇蹟の形象

 モスクワ州には300以上の教会がある。この中から6つの寺院を紹介。モスクワ観光案内紹介のひとつ。由来などを写真入りで紹介。住所、電話番号などこまかい情報入り。

 寺院めぐりするときには便利。

シェフチュクは自由のシンボルになった

  ロシアのジャーナリスト協会によってDDTのシェフチュクが、自由のシンボルとして選出される。

 やはりシェフチュクは自由を代表するカリスマであるということだろう。

何故観客を羊にかえてしまうのか

  ロシアではいまちょっとした商業映画ブームになっている。映画産業も著しい成長を続けている。ただこうした娯楽映画だけをつくっていいものだろうかという声も映画人からあがっている。これについての賛否両論を紹介。

 日本でも続々公開されているロシア映画。そのほとんどはいわいる商業映画。当然ながらこれを面白く思っていない人はいるだろう。ただ文学でもミステリーが主流になっているし、エンターテイメント指向という流れはとまらないのではないだろうか。

 

2006年3月10号

幼児フェチの徒党を弁護士が率いる

 幼児虐待についての特集記事。世界では1千2百万人の子供たちが売買されているという。ロシアでも3万人の子供たちが売買され、そのうち500人以上が虐待のため犠牲になっている。幼児フェチたちの犠牲となっている。その現況についてのレポート。

 ムルマンスクを舞台にした近未来のミステリーがあったが、最終的には幼児売買に行き着き、とてもいやな読後感だったことを思い出した。

どうしてチェブラーシカが中国で

 読者かの質問。友人からもらったオリンピックのマスコットとっなたチェブラーシカが、中国製となっていたのは何故という読者からの質問。 中国で作られているのはあくまでも海賊品であろう。また現在でもチェブラーシカの著作権をめぐってのスキャンダルが問題になっている。実際の権利は日本がもっている。

 そういえばチェブラーシカのキャラクター権をめぐってもめていたが、どうなったのだろう。この女性、知り合いの知り合いだったのだが・・・

 

2006年3月11号

100年経ったら目覚めなさい

 冷凍化についての研究を最初にはじめたのはロシアの学者たちだったが、こんどはこれを生き返らすという研究が進んでいる。

日本でも翻訳されていたが、レーニンの遺体保存についてのエピソードはなかなか興味ぶかいものがあった。もともとロシア人はこういう研究が好きなのかもしれない。マヤコフスキイも一時期真剣に不死のことを考えていたということを読んだことがある。

 

2006年3月12号

調律師や捨て駒は同志ではない

 いまモスフィルムだけで、シナリオ化をふくめて100以上のプロジェクトが進んでいるという。あたるか外れるか博打の要素をもった映画もたくさんあるし、映画プロデューサーを名乗る人も900人もいるという。こうした現況についてに。

 それだけ映画で一発あてようという人が多いということだろう。

バイリンガル犬はいかにして4世代を養うことになったか

 いまから150年前にグリゴリー・ドンスコイという芸人が、初めて学者犬と一緒に舞台にあがった。この犬は、5ケ国語を理解し、与えられた質問に対して答えたという。この芸人の子孫たちも同じ芸を引き継ぐことになった。その略歴も。

 日本でいうと寄席芸人になるのだろうが、ドンスコイという芸人さんについても、その子孫たちについてもまったく知らなかったので、非常に興味深かった。

 

2006年3月13号

古代エネルギーの秘密

 シリア・エジプト、レバノンを探検、身長6メートルの巨大人の存在を発見したムルダシェフ探検隊の発見の新たなシリーズ。今回は第3の眼とも言える謎のエネルギーについて。

 またもや始まったムルダシェフ探検シリーズ。遺跡というよりは、古代人の力の源泉の不思議さに焦点をあてている。

 

2006年4月14号

地球への診断

 生物学者のビクトル・イニューシンは、ほぼ100%の確率で地震予知をしている。2004年にはタイの大地震を予知、政府に助言したが、聞き入れられず結局大災害を招いた。生物の予知能力を研究している。

 このビクトルさんに、ジャカルタのこの前の地震を予知できたかどうか聞いてみたいものである。

ハブ寺院の謎

 ムルダシェフ探検レポート。今回はシリアのハブ寺院の壁画に無数に描かれている双頭のへびについて。

レントゲン−娘

  イワノフに住む25才の女性ワレンチナ・サパジニコワは人間をレントゲンのように見る能力がそなわっている。治療にも役立っている。

 同じような話を前にこの「論拠と事実」の中で読んだことがあるような気がするのだが・・・ ロシアにはいろいろ異能の人がいるものである。

 

2006年4月15号

タイタニック号からロシアのジギド

  「タイタニック号」で助かった唯一のロシア人ムルザカン・クチエフの数奇な運命について。カフカーズの20才の若者、一旗あげるためにアメリカ、フランスに向かう。ジギドとして。イギリスからニューヨークに向かうタイタニックに乗り組む。

 タイタニックの生存者がジギド(馬乗り)だったとは。驚いてしまった。

タトゥ「私の代りはいるかもしれないけど、くり返すのは無理

  「ミュスTV2006」で4部門にノミネートされている「タトゥ」のプロデューサー、レオン・カチノンとのインタビュー。6月2日の発表にかける意気込みなどを語る。

 あいかわらずである。今度のプロデューサーもろくなもんじゃない。ここではこのコンテストで賞を総ざらいしそうな話になっているが、実際はどうなるのだろう。

 

2006年4月16号

どうして芸術で観客を拷問するのか?

 読者からの質問。 先頃開かれたフェスティバル「黄金の仮面」で上演されたレフ・ドージンの「悪霊」は9時間の上演だった。ドージンはいったいどういうつもりで観客を拷問にかけるるような芝居を上演したのか。

 たしかドージンの「兄弟姉妹」も相当長かったはずだが・・・ そういえばドージンの奥さんのシェスタコーワ(?)はどうしているのだろう。いい女優さんだった。彼女の「三人姉妹」のソーニャの演技は忘れられない。

古代人は実験室でつくられた

 エジプト・シリア・レバノン探検報告。古代の巨人たちはクローンとして実験室でつくられたのではないか。

 仮説もここまでくるとという気がしないでもないが・・・

知ってますか?

 まもなくソルジェニツィンの全集30巻の出版が開始される。完結まで10年かかる予定。

 老いてますます盛んです。

 

2006年4月17号

巨人たちの秘密の機械

 巨人の謎のヒントを与えるある機械を、レバノンで発見した。ムルダシェフ探検レポートの続編。

カスマノフ対シェフチュク

 カスマノフの新曲「ソ連で作られた」を、自分達の曲「ソ連で生まれて」のコピーとシェフチュクが言ったことで、互いに非難しあっている。

 DDTの「ソ連で生まれて」は本当にいい曲だと思う。去年モスクワのライブの実況録音(友人が録ってくれた)を聞くと、この歌になると観客が一斉に歌い出していたもんなあ。

コンサート情報

 人形劇「めずらしいコンサート」、上演60周年を記念しての特別公演が開催される。4月28日。

 オブラスツォフのモスクワ中央人形劇場の18番の番組。個人的にも思い出深い。この業界に入って最初の仕事となったのが、この劇団の横浜公演の営業だった。あの時司会をしていたゲルトは、本当に見事に日本語をあやつっていた。この原題は、「あたりまえでないコンサート」という。このタイトルからして、この作品が生まれた時代のスターリン性へのささやかな抵抗みたいものを感じる。

 
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