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【連載】モスクワスクラップ帳

第67回

2007年11月のモスクワの週刊誌『論拠と事実』からスクラップした記事。

2007年11月44号
 どうしてこんなキチガイ沙汰をやろうと思うの?
 マンモスは戻るのか?
 ロストロポービッチの娘が父のために答える
 シェフチュクは森へ引っ込んだ
2007年11月45号
 指揮者クラウン
 我々の国を救うのはマフィアである
 偉大なる革命の神話
2007年11月46号
 巨人と小人――彼らは私たちのなかでどうやって生きているのか
 何故ロシアの古典からでたらめをつくるのか?
 エドワルド・リャザーノフ「金で売られる愛、ユーモア、優しさについて」
 寿司は、洗濯(スシカ)とは違う
2007年11月47号
 アレクサンドル・ソクーロフ「独裁者に民衆以外の演出家はいない」
 テストパイロット・マリーナ・ポポウィチ「UFOを信じる以外ない」


 

2007年11月44号

どうしてこんなキチガイ沙汰をやろうと思うの?

「私には理解できない」の欄
最近ヨガの一種で、街頭で人間浮遊をしたり、ほとんど1時間水中にいたりというデモンストレーションを見たが、確かに凄いとは思うけどどうしてそんな馬鹿げたことをやろうとするという読者の質問。心理学者がこれに対して、生きる意義を失くしたのか、もうひとつ考えられるのはこの種の人たちはアドレナリン徴候群に属する人なのではと答えている。

写真付きの記事なのだが、人間浮遊はストリートのど真ん中で演じられている。合成でないととても理解できないのだが・・・

マンモスは戻るのか?

日本とロシアの共同学術プロジェクトの中で、今年ヤーマルで発見された冷凍マンモス(リューバ)の分析研究が進んでいる。これは37000年前のもので、体長90センチ、体重50キロのマンモス。サンクトペテルブルグのあと、東京に運ばれる予定。何故マンモスが消えたのを研究。もしかしたらマンモスのクローン化も。

これも写真付きの記事。冷凍マンモスは小馬程度の大きさ。何度かこのプロジェクトについては日本でも紹介されているが、日本側の研究スタッフは初めからマンモスのクローン化を狙っているような内容だったかと思う。本当に東京で展示されるのであろうか。万博であれだけ話題になったマンモス。展示されたらものすごい人気になるのでは・・・

ロストロポービッチの娘が父のために答える

父の手術について、またモスクワに帰ってきたのは、死ぬことを予期したのではなく、治療のためだったことをはじめて明らかにする。また父が集めたロシア芸術のコレクションがオークションに出されるという噂についても、うんざりした調子で完全否定。何故父がこうしたコレクションを買い求めたのか、ロシアのものだけを彼は、国を追われ亡命していたときに買い求めていたことの意味を知ってもらいたいし、すでにこうしたものは町に寄贈されたことを明らかにしている。

ロストロポービッチの集めたコレクションがイギリスでオークションにかけられるという報道に対しての反論ということなのだろう。

シェフチュクは森へ引っ込んだ

現在シェフチュクは、コンサート活動をせずに、ペテルブルグの別荘にひっこみ、創作活動に専念している。来年1月か2月にはコンサート活動に戻る。来年はカナダ、アメリカでのコンサートツアーも予定している。

DDTのライブはぜひ見たい、夢のひとつ。DDTはニューヨークでもコンサートをしているようだが、アメリカとかではどう受け入れられるのであろう。

 

2007年11月45号

指揮者クラウン

メルビン・チクスは、世界でただひとりの指揮者クラウン。なんでも演奏し、ゴムホースをつかって音をつくることもできる。

小さな催し物案内の記事。このクラウンについてはまったく知らなかった。

我々の国を救うのはマフィアである

「ロシアのハムレット」、「アンナ・カレニーナ」が世界的に成功し、プーチンから特別に賞をもらうなど、ヨーロッパではいまやロシアを象徴する存在となったボリス・エイフマンへのインタビュー。

何か意味深なタイトルである。日本にも何度か来日公演しているエイフマンだが、この二つの作品には興味がわく。どんな内容なのだろう?

偉大なる革命の神話

11月7日90回目のロシア革命記念日をむかえる。これにちなみ、「論拠と事実」は、巷間流れている噂や謎の解明にのりだした。「レーニンはゲイだった」、「ケレンスキイは、女装して逃げた」、「冬宮襲撃では多数の犠牲者がでた」などなど6つの神話に挑む。

二頁にわたる大特集なのだが、こうした神話として取り上げられている内容自体に、革命への茶化しが感じられる。

 

2007年11月46号

巨人と小人――彼らは私たちのなかでどうやって生きているのか

いままで世界一のノッポは、2メートル36センチの中国人とされていたが、2008年のギネスブックではこの記録が更新されることになる。2メートル53センチのウクライナ人がこれに代わることになる。世界の巨人そして小人に関するエピソードを紹介

これも二頁の特集記事。ウクライナ生まれのイワン・チョポフスキイは、89センチの俳優。11才の時に巡業にきた舞台サーカスの団長に誘われそのまま入団。大成功をおさめ、ハリウッド映画にも出演したという。

何故ロシアの古典からでたらめをつくるのか?

テレビシリーズで放映された「戦争と平和」は、海外でつくられたものだが、最初見て、何故ロシアの古典を外国の演出家は何故でたらめをするのかということが頭に浮かんだ。何故ロシアの演出家を呼ばないのだろうか。という読者の質問。

かつてはオードリー・ペップバーンもこの映画を撮っているのだが、なぜいまさらということなのだろうか?

エドワルド・リャザーノフ「金で売られる愛、ユーモア、優しさについて」

「運命の皮肉」、「カーニバルの夜」、「ふたりの駅」などの数々の名作を発表してきた映画監督のリャザーノフは、11月18日で80才をむかえる。彼への独占インタビュー

リャザーノフは、ロシア人から最も愛されている映画監督だろう。来日したサーカスのメンバーが、いつも彼のDVDを持ってくる。何度も見ても楽しめるのだろう。ということで自宅には字幕のないリャザーノフの映画のDVDがかなり集まった。

寿司は、洗濯(スシカ)とは違う

いまロシア人のなかで圧倒的な人気を誇る寿司。しかし実際私たちが口にしているのはアメリカ製三菱と同じように、日本の寿司とはちがっている。そこで有名な寿司レストランのマサヨシ・ガザトに、正しい寿司の作り方をインタビュー。

ロシア人は本当に寿司が好きである。この記事を見ると本格的に寿司の食べ方、つくり方を知りたいということがわかる。ここではご飯の量とかについても詳しく解説している。

 

2007年11月47号

アレクサンドル・ソクーロフ「独裁者に民衆以外の演出家はいない」

世界的名声を博している映画監督の新作が、今週ロシアで一般公開された。ヴィシネフスカヤが主演した「アレクサンドラ」である。11月初めにはロサンゼルスで公開、「ゴールデングローブ賞」にもノミネートを噂されるこの話題の映画の公開を前に、ソクローフのインタビュー。

論拠と事実でもなんどか撮影状況が紹介されていたこの映画がいよいよ公開されたわけだ。ベネチア映画祭で賞を獲得したミハルコフの「12人」もチェチェンを舞台にしている。この映画は日本で公開されるのだろうか?

テストパイロット・マリーナ・ポポウィチ「UFOを信じる以外ない」

マリーナは、フライトで101回の世界記録を樹立している有名なパイロットであり、科学アカデミーのメンバーでもある。その彼女が、未確認飛行物体UFOの存在を主張している。それは何度も実際に自分の目で見たからに他ならない。彼女のインタタビュー記事。

日本ではUFOの存在について確認していないという政府の発表があったばかりだが、ロシアではばんばん目撃証言が出ている。今回は科学アカデミーの会員で、実際のパイロットからの証言というのが味噌。


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