月刊デラシネ通信 > ロシア > 『ロシア芸術の現在』講義通信2006 > 講義メモ 第4回

早稲田大学『ロシア芸術の現在』講義通信2006

講義メモ 第4回

1.エンギバロフについて

ビデオ 「エンギバロフ」

エンギバロフの略歴と、彼のクラウニングの現代性について
・マイムによるクラウニングをつくりだす
・叙情性、善への信頼

街の軽業師
エンギバロフ

→参考:「エンギバロフ」とクラウン 関連記事

2.ソ連の解体とロシアサーカス

いままで国家公務員として働いていた芸人が、国内で失業状態になる例が多くなる
海外に仕事場を求める芸人が続出――芸人の流民化
海外で立ち往生する芸人続出
自由に契約できるものの、安いギャラで雇用されるため、芸人市場にも混乱
シルクドゥソレイユ、ロシアの芸人を大量に雇用する
シルクドゥソレイユについて――1984年創立(創始者ギー・ラリバテ)
サーカスによる世界制覇をもくろむ

→参考:サーカス 関連記事

3.ヨーロッパを舞台にしたヌーヴォシルク

1968年パリの5月革命のあと、演劇の人間がサーカス周辺に集まる
伝統サーカス存亡の危機
時の文化大臣ジャック・ラカンが、サーカス学校の設立を提唱
シャロンに国立サーカス学校がつくられる
ここで学んだ若いアーティストたちが、新しいサーカスをつくっていく
これがヌーヴォシルクの原点となる
もうひとつの出来事――フィリップ・ドゥクフレのアルベールビルの冬季オリンピックのセレモニーの演出――まさに世界を震撼させる
演劇、ダンスなどとのコラボレーションが盛んになる
「フェリア・ミュジカ」(ベルギーのコンテンポラリー・サーカス・カンパニー)もこうした流れのなかにある


フェリア・ミュジカ公演 『Le Vertige du papillon 蝶のめまい』

4.日本を舞台にしたロシアサーカスのコラボレーション

ワレンチン・グニェーショフ演出による「ファンタジア」・「ドリームエンジェル」の公演

アメリカのミュージカルとロシアのサーカスが合体という触れ込み、興業的には大失敗。シルクドゥソレイユの二番煎じ。高い技術と番組をつくる演出力はあるものの、全体をスペクタクルとして見せるまでには至っていない

ロシアンバーのゼムスコイグループのロシアンバーについて

ワレンチンサーカスを代表するアーティスト、パリの「トゥモロー・サーカス」で金賞を受賞。
リーダーのニコライ、翌年の「モンテカルロサーカスフェスティバル」の一回目の試技のあと、心臓麻痺で急死
ビデオ 「ゼムスコイグループ」の「トゥモロー・サーカス」での演技

シャングリラ

過去2度の公演――日本ですすめられたプロジェクト
日本を代表する歌手、ユーミンのコンサートにサーカスやアイスショー、シンクロナイズドスイミングを合体させる。
今年も「シャングリラ3」が行われる。

連載目次へ デラシネ通信 Top 前へ