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2023.08.31

善六来函210周年記念1Dayツアー
「通訳キセリョフ善六はなぜ函館に来たのか」

通訳としてロシアに残った善六が、文化露寇ゴロヴニン事件解決のために函館に上陸したのは文化10年(1813年)。今年で210周年となるのを記念して1Dayツアーを開催します。
3会場を巡って函館の埋もれた歴史を見る・聞く・歩く!

善六来函210周年記念1Dayツアー
「通訳キセリョフ善六はなぜ函館に来たのか」

善六来函210周年記念1Dayツアー
「通訳キセリョフ善六はなぜ函館に来たのか」
日 時 2023年10月7日(土) 10:00~16:30
会 場 市立函館博物館・函館市地域交流まちづくりセンター 他
時間ごとに会場が異なりますのでご注意ください。
①~③は別会場で開催しますが、通しでの参加も可能です。
(昼食は各自でおとりください)
参加費 無料
申込み 不要(当日、各会場に直接お越しください)
主 催 函館日ロ交流史研究会/石巻若宮丸漂流民の会/市立函館博物館
後 援 北海道新聞社/函館新聞社/三陸河北新報社(石巻かほく)/石巻日日新聞/函館博物館友の会/日本・ウラジオストク協会
問合せ zenroku.info@gmail.com

プログラム

①10:00 ~ 12:00 会場:市立函館博物館

◉函館市所蔵資料特別観覧+展示解説 「善六の箱館上陸」
善六の姿が描かれた貴重史料『北夷談 附図』、『北蝦夷及び赤蝦夷図絵』を学芸員の解説付きで観覧し、日露交渉や当時の函館の様子を探ります。

★会場で開催中の企画展「外国人が見たみなとまちHAKODATE」の展示解説も行います。
〔通常は企画展入館料が必要ですが、当日、イベント参加者は無料で入館できます。〕

 

②14:00 ~ 15:40 会場:函館市地域交流まちづくりセンター2階 多目的ホール

◉基調講演「魯西亜から来た日本人善六とはこだて」
  講師:大島 幹雄(作家・石巻若宮丸漂流民の会事務局長)
善六とは何者か――仙台石巻(宮城県)から漂流して“ヲロシア人”となり、世界を一周し、通訳として函館に上陸した男の生き様をたどります。

◉ビデオ講演「函館と石巻」
  講師:本間 英一(石巻若宮丸漂流民の会理事)
善六のふるさと石巻と、ロシア人として上陸した函館――ふたつの港町をつなぐ数々のエピソードを紹介します。

 

③15:45 ~ 16:30 集合場所:函館市地域交流まちづくりセンター1階ロビー 集合

◉善六の上陸地を歩く 「沖の口番所跡見学」
  案内・解説: 倉田 有佳(函館日ロ交流史研究会代表世話人)
  奥野 進(函館日ロ交流史研究会世話人)
善六が上陸した「沖の口番所」跡を散策し、当時の絵図と現在の風景を見比べます。

★少雨決行 ★荒天時はスライド上映でのバーチャルツアー


詳しくは、チラシをご覧ください。

イベント概要

 1813年9月箱館で、日ロ会談が行われた。これは1811年クナシリ島に上陸し、だ捕されたロシア船ディアナ号艦長ゴロヴニンほか7名の乗組員を解放するための交渉だった。
 日本とロシアは、1806年(文化三年)から1807年(文化四年)にかけてのロシアによる択捉島や樺太、利尻島を襲撃(文化露寇事件)した事件を契機に、一挙に緊迫した事態を迎えた。この会談は、こうした一連の日ロの紛争の解決をめざすものだった。会談を前に両国の間で、書面による交渉を重ねあい、それぞれの対立点を明らかにしながら、両者歩み寄るかたちで会談に臨み、解決をみることになった。
 戦争を防ぐ上で、大きな意義ある会談の舞台裏には、北洋箱館の豪商高田屋嘉兵衛がいたことはよく知られている。しかしここにもうひとり商人でもない、そしてキリスト教に改宗した日本人が、交渉の裏でロシア側の通訳として文書の作成・翻訳をし、さらにはこの間の日ロ対立のなかで、犠牲になった日本人民間人たちのために援助していたことは、ほとんど知られていない。彼の名を善六(ロシア名キセリョフ)という。1793年12月(寛政五年十一月)江戸に向けて、石巻(仙台藩)を出帆した、千石船若宮丸の乗組員だった。
 日ロ会談から210年という記念の年に、このほとんど無名の、ロシアに帰化した日本人キセリョフ善六が函館にのこした足跡をたどり、庶民がこうした歴史的紛争のなかで活躍していたことを3つのイベント(ワンデーツアー)を通して知ってもらいたい。
 ツアーでは、キセリョフ善六を長年追いかけ、『魯西亜から来た日本人-漂流民善六物語-』(1996年)や『善六ものがたり』を書いた大島幹雄ほかによる講演と、函館に残る史料の特別閲覧、さらには善六上陸の地を訪ねるなど、はこだてを舞台に演じられた知らざれるドラマを、見て、聞いて、歩きながら探る。
 また、善六の出身地石巻と函館は、この後も戊辰戦争、北洋漁業開拓やロシア正教布教など深い関係をもつことになった。石巻と函館というつながりという視座もとりいれることで、庶民の視線から、国際交流のなかで果たした庶民の役割も見ていく。