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2022.11.30

「声優朗読劇フォアレーゼン ~波濤~」の著作権侵害について

 「声優朗読劇フォアレーゼン ~波濤~」公演チラシが石巻若宮丸漂流民の会のパンフレット「石巻若宮丸漂流民物語」に酷似していたため、公演側に説明を求めたところ、著作権侵害の事実を認めていただきました。
 石巻若宮丸漂流民の会はこの公演とは無関係ですが、チラシ配布・チケット販売がすでに開始されていましたので、経緯をお知らせいたします。

この記事の意図

 今回このような記事を掲載するのは、まきあーとテラス(公益財団法人石巻市芸術文化振興財団)のWebサイトtwitterに掲載された「『声優朗読劇フォアレーゼン』公演内容の変更について」という文書をお読みになった方が、“若宮丸漂流民を扱うと、石巻若宮丸漂流民の会から何か言われる”というような印象を持たれるのではないかと危惧したためです。
 若宮丸漂流民の事跡を取り上げていただくことは、大歓迎です! しかも石巻の地で、石巻の人々に知っていただけるのは、うれしいことです。
 今回の公演にしても、チラシの件さえなければ“うれしいニュース”として受け取っていましたので、できれば、公演内容はそのままで上演していただきたかったのです。

 舞台公演に限らず若宮丸漂流民を取り上げていただける団体・個人がいらっしゃいましたら、ぜひぜひ、よろしくお願いいたします。当会へご連絡いただければ、何か協力できることもあると思いますが、ご連絡いただかなくても何の問題もありません。
 ぜひご一緒に石巻若宮丸漂流民の物語や歴史を伝え、広めてまいりましょう!

経緯

 2022年11月5日、石巻市在住の方からの「このチラシの公演は石巻若宮丸漂流民の会に関係があるのか」というお問い合わせで、石巻若宮丸漂流民を題材にした「声優朗読劇フォアレーゼン ~波濤~」(会期:2022年12月11日)という公演があることを初めて知りました。
 チラシのデザインが石巻若宮丸漂流民の会(以下、当会)のパンフレットによく似ていること、特に千石船のイラストはデータの流用が強く疑われたことから、公演側に問い合わせました。

 この公演の主催者は「石巻市/石巻市教育委員会/(公財)石巻市芸術文化振興財団」ですが、このうち公益財団法人石巻市芸術文化振興財団(マルホンまきあーとテラス)とやり取りをすることになりました。
 こちらの意図がなかなか伝わらず、数度やり取りをすることになりましたが、最終的にこちらからお伝えしたのは下記の4点です。チラシのデザインについての申し入れなので、3と4は蛇足なのですが、やり取りの中で先方に誤解があるようでしたので一般的な著作権についての考え方をお伝えしました。

  1. 集客にあたって、他者の制作物に酷似したチラシを使用することは、著作権の侵害になります。今回はさらにデータそのものの盗用も強く疑われます。使用するためには事前に明示的な許諾を得る必要があります。著作権の侵害は、民法・刑法に触れる行為です。
  2. 今回の場合、客観的に見て「当会が関与していると誤認させて集客しようとしている」ことが強く疑われます。
  3. 若宮丸漂流民をテーマとした公演を行うにあたって当会への事前連絡や了承をとる必要はまったくありません。若宮丸漂流民をどのように取り上げても、何の問題もありません。
  4. ただし、公演内容(脚本等)において他者のテキストやアイデアを使用する場合は、事前に許諾を得る必要があります。

 

 その後、石巻市芸術文化振興財団から当会の木村成忠会長宛で正式に著作権侵害についてのお詫びを文書でいただきました。また、事態収拾のために下記3点をお約束いただきました。

  • チラシの回収とインターネット上でのチラシ画像の掲載中止
  • チケット購入者に対して公演が当会と無関係である旨の周知
  • インターネット上での著作権侵害についての告知文の掲載(11月24日に掲載 Webサイトtwitter

 当会としては、この3点だけで良かったのですが、石巻市芸術文化振興財団からは「公演内容も変更する」とお知らせいただきました。再三、内容については当会から申し上げることは何もないと念を押していたのですが、なぜこのような方針になったのかについてはご説明いただけませんでした。

 その後、マルホンまきあーとテラスのWebサイトで公演名を「声優朗読劇フォアレーゼン ~疑惑~」と変更する旨の告知がなされています。


★この件で問題となったチラシは、すでにインターネット上から削除されているため、こちらでも掲載いたしません。あしからずご了承くださいませ。当会のパンフレットはこちらです。