早稲田大学『ロシア芸術の現在2』のご案内 2013
今年も早稲田大学文学部の講座「ロシア芸術の現在」のなかで4回講義をすることになりました。今年は「サーカス学へのチチェローネ」と題して、サーカスにいろいろな角度からアプローチ、間口を広く、そして奥深くサーカスの魅力にせまってみたいと思っています。
予定している内容は以下の通りです。ただタイムリーな話題があったら、内容が変わる可能性もあります。
「ロシア芸術の現在2」 | |
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テーマ:サーカス学へのチチェローネ 早稲田大学Webシラバス |
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講義日 | 2013年10月1・8・15・22日(火) 全4回 |
時 間 | 2時限(10:40~12:10) |
教 室 | 早稲田大学戸山キャンパス 31号館204教室(予定) ※教室は変更の可能性があります。ご注意ください。 アクセス案内とキャンパス内案内図 |
講義内容(予定)
10月1日(火)第一回目 「空中ブランコの世界」
サーカスの花「空中ブランコ」を、さまざまな角度から見ていきます。まずこの芸を支えている物理学の原理、この芸が生まれた背景、中原中也とブランコ、さらには映画のなかで取り上げられた空中ブランコをめぐる三角関係などを、さまざまな映像を見ながら考察していきます。
10月8日(火)第二回目 「海を渡ったサーカス芸人」
1908年9月ウラジオストックで25名からなる日本のサーカス団「ヤマダ」が公演、この後このサーカス団はシベリア各地を巡業、ロシア中を席巻する。このヤマダサーカス団で働いていた芸人たちの足跡を追っていきます。最近出版した『明治のサーカス芸人はなぜロシアで消えたのか』で追いかけたルポルタージューをもとに、この日本人たちの血をひく芸人たちの珍しい映像もおみせします。
10月15日(火)第三回目 「熊のサーカス・馬のサーカス」
1958年ボリショイサーカスが初来日した時大きな話題になったのが熊18頭による熊のサーカスでした。このときの熊のサーカスの映像を見てもらいながら、ロシアサーカスと熊の関係、さらにはこの芸を最初に伝えたスコモローヒ(放浪芸人)についても見ていきます。ロシアのサーカスにとってもうひとつなくてはならないのが、ジギド(曲馬乗り)です。このダイナミックな芸が生まれた中央アジアの馬文化についても考察、さらには日本でも公演、話題になったフランスの曲馬サーカス「ジンガロ」の映像も見てもらいます。
10月22日(火)第四回目 「ロシアアヴァンギャルドとサーカス」
ロシアアヴァンギャルドとサーカスはいつも近しい存在でした。メイエルホリドのビオメハニカ、エイゼンシュタインのモンタージュ、マヤコフスキイのアジテーション、ロドチェンコのフォトモンタージュは、サーカスの強い影響をうけています。こうしたサーカスとアヴァンギャルドの関係を考察していきます。さらにアヴァンギャルドと連帯していった道化師ラザレンコの足跡も紹介します。