石巻若宮丸漂流民の会
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図録小冊子
鎖国の時代に世界一周した若宮丸の津太夫と左平』刊行

2008.04.21

 2008年3月4日からマリンゲート塩釜1階ポートギャラリーで開催されたパネル展『鎖国の時代に世界一周した若宮丸の津太夫と左平』を記念して、これを主催したNPOみなとしほがまが、図録小冊子を発行しました。
 この図録小冊子は、B5版32頁で、総カラーになっています。
 目次は以下の通りです。

[ 目 次 ]
1. はじめに
2. 若宮丸流される 2〜5
3. 漂流民の運命が大きく動く 6〜9
4. 漂流民がロシアで見たものは 10〜12
5. 世界一周の大航海 13〜14
6. 津太夫たちの帰国後は 15〜19
7. 漂流民が帰国して約200年 20
[若宮丸漂流民のふるさとを訪ねて] 21
追記 22
若宮丸年表 23〜28
小冊子 表紙(クリックで拡大)
表紙(クリックで拡大)

小冊子内容 4漂流民がロシアで見たものは(クリックで拡大) 若宮丸が漂流してから帰国するまでの足跡が、小中学生が読んでもわかるように平易な文章でまとめられています。これを執筆したのは、2004年夏にサンファン館で開催された『初めて世界一周した日本人』展の時に発行されたパンフレットでも解説を書いた齋藤博氏です。当会理事でもある齋藤氏は、現役の小学校の先生をしているだけに、実際の授業での進行を頭に描きながら、わかりやすく、また興味をそそるような書き方でまとめています。
小冊子内容 5世界一周の大航海(クリックで拡大) 解説文の中にたくさんの図版が織り込まれていることがこの小冊子の大きな特徴になっています。なによりも今回のパネル展のために複写された伊達文庫所蔵の『環海異聞』(宮城県図書館所蔵・宮城県有形文化財)の図版の美しさが目を引きます。伊達文庫のものは、数多くある「環海異聞」の写本の中でも、オリジナルにかなり近いものといわれています。その写本の図版が二十点もこの冊子に収められています。それ以外にも、地図や漂流民が訪れた土地の写真などもたくさんここでは収録されています。図版を見るだけでも楽しめる冊子となりました。
 さらに巻末にはラックスマンが大黒屋光太夫ら神昌丸漂流民を連れて根室に来航した1792(寛政4)年から左平が亡くなる1829(文政2)年まで、若宮丸に関連する事項をまとめた詳細な年表がついています。小中学生だけでなく、もっと若宮丸に関することを調べていきたいという人たちにとってもこの冊子は、たいへん役立つ一冊となりました。
 [若宮丸漂流民のふるさとを訪ねて]では、禅昌寺、観音寺、寒風沢などに残る若宮丸関係の史蹟を、アクセスマップつきで紹介されています。この冊子を道連れに史蹟めぐりすることもできます。
 若宮丸漂流民入門解説書として、まさにうってつけの一冊になりました。
 この小冊子をつくったNPOみなとしほがまの熱意に頭が下がる思いです。「幾多の困難を乗り越えた素晴らしい先人達の史実と功績を、ぜひ伝えたい」というNPOみなとしほがまのメッセージがこうして、子どもたちへ確かに伝えられたことを喜びたいと思います。


 この冊子は、塩竃市内の小中学生に配布されました。掲示板でも書きましたが、石巻若宮丸漂流民の会の会員の皆さんにもおわけしたいということで、寄贈をうけております。次回の会報を発送(6月上旬)するときに一緒にお送りいたします。
 なおこの図録小冊子は、塩竃市役所の売店でも一部400円にて販売しています。

図録(小冊子)
鎖国の時代に世界一周した若宮丸の津太夫と左平」
発行日 平成20年3月1日
監修 平川新(東北大学教授)
監修・構成・文 齋藤博(石巻若宮丸漂流民の会理事)
年表提供 大島幹雄(石巻若宮丸漂流民の会事務局長)
表紙 引地洋介
図版・写真 平川新・本間英一(石巻千石船の会事務局長)・綿 晋・大和田庄治
協力 石巻若宮丸漂流民の会
構成・編集 大和田庄治・綿 晋
発行・制作・著作 特定非営利活動法人 NPOみなとしほがま
080−1833−3710

 


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