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2022.08.23 / 更新2022.09.20

第71回~第80回 桑野塾の開催概要と内容

第71回~ 桑野塾の開催概要と内容です。

  • 第71回 ウクライナ侵攻を考える2
        ●「『チェマダン特別号——ウクライナ侵攻とロシアの現在』について」伊藤 愉
        ●「開戦からの半年——支持率、出国、弾圧」奈倉 有里
        ●「ロシア文化というイデオロギー」八木 君人
  • 第72回 ウクライナ侵攻を考える3
        ●「現代ウクライナ映画の巨匠 セルゲイ・ロズニツァ監督」守屋 愛・有田 浩介

第71回
ウクライナ侵攻を考える2
●「『チェマダン特別号——ウクライナ侵攻とロシアの現在』について」伊藤 愉
●「開戦からの半年——支持率、出国、弾圧」奈倉 有里
●「ロシア文化というイデオロギー」八木 君人

  • 2022年9月10日(土) 午後3時~5時
  • @ Zoom

チラシPDFチラシPDF

●「『チェマダン特別号——ウクライナ侵攻とロシアの現在』について」伊藤 愉

『チェマダン特別号――ウクライナ侵攻とロシアの現在』表紙

『チェマダン特別号――ウクライナ
侵攻とロシアの現在』表紙

 『チェマダン特別号——ウクライナ侵攻とロシアの現在』は、2022年2月24日のロシア軍によるウクライナ侵攻を受け、およそ7年ぶりに刊行しました*。巻頭言にあるように、侵攻開始以後、日本国内においても、様々な情報が膨大に生み出され、そして消費されてきています。人文学の役割が、大きなイメージを前に、いちど立ち止まり、思考することだとしたら、本特別号に掲載された文章は、そのための素材として位置付けられます。編集にあたっては、一面的な「イデオロギー」を標榜するのではなく、あくまでもロシアの(複数の)文化を捉え直すこと、その複雑性を文字としてとどめ、一つの記録として残していくことを目的としました。本号刊行に至るまでの経緯と意図を共有し、誌面構成の概略を紹介します。
*https://chemodan.jp/chemodan_sp_2022.pdf

●伊藤 愉(いとう まさる)
明治大学文学部教員。専門はロシア演劇、ロシア・アヴァンギャルド/ソヴィエト・アヴァンギャルド。

●「開戦からの半年——支持率、出国、弾圧」奈倉 有里

 ウクライナ侵攻の開始から半年が経過しました。開戦当初の反戦運動はわずか数週間で抑え込まれ、その後も弾圧の続くロシア国内の状況は次第に見えづらくなっています。今回は『チェマダン』特別号で扱った「統計(支持率が高いという統計は本当なのか)」「国外移住の波(ソ連時代の亡命の波に匹敵するほどの人口流出とドイツなどにおけるロシア人社会の形成)」「国内の弾圧(言論弾圧、逮捕、解雇など)」という三つの問題点を中心に据え、五月以降の動きや文化人──ドイツに逃れたリュドミラ・ウリツカヤ(作家)、「モスクワのこだま」で政治コメンテーターをしていたエカテリーナ・シュリマン(政治学者)、国内での活動を続けるユーリー・シェフチューク(ロックグループDDTリーダー)、ウクライナからブルガリアに逃れたロシア語作家オリガ・グレベンニク(絵本作家)らの声を追いながら、さまざまな状況におかれたロシアとウクライナの人々の現状と課題について考えます。

●奈倉 有里(なぐら ゆり)
専門はロシア詩、現代ロシア文学研究。早稲田大学ほか非常勤講師。ミハイル・シーシキン、リュドミラ・ウリツカヤ、サーシャ・フィリペンコなどを翻訳しています。

●「ロシア文化というイデオロギー」八木 君人

 『チェマダン』特別号では「『文化』のナショナリティに関する覚書」という記事を寄せました。それはロシア軍のウクライナ侵攻を機に欧米を中心に起こった「ロシア文化」の「キャンセル」から、「文化」を国家や特定のナショナリティに属させることについて考えたものでした。今回は、そのなかでも言及したような、国家イデオロギーとして機能してしまう「ロシア文化」あるいは「ロシア世界」について、記事ではあまり触れられなかった文化政策の観点を含めてもう少し踏み込んで報告し、「ロシア文化」にいかに接していくべきか等、みなさんと話し合えればと思います。

●八木 君人(やぎ なおと)
早稲田大学文学学術院教員。専門はロシア・フォルマリズム、帝政ロシア・アヴァンギャルド/ソヴィエト・アヴァンギャルド。

 

第72回
ウクライナ侵攻を考える3
●「現代ウクライナ映画の巨匠 セルゲイ・ロズニツァ監督」守屋 愛・有田 浩介

  • 2022年10月29日(土) 午後3時~5時
  • @ Zoom

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●「現代ウクライナ映画の巨匠 セルゲイ・ロズニツァ監督」守屋 愛・有田 浩介

セルゲイ・ロズニツァ(1964~)

セルゲイ・ロズニツァ(1964~)

『バビ・ヤール』(2021/日本公開2022)

『バビ・ヤール』(2021/日本公開2022)

『バビ・ヤール』チラシ

『バビ・ヤール』チラシ

『ドンバス』(2018/日本公開2022)

『ドンバス』(2018/日本公開2022)

『ドンバス』チラシ

『ドンバス』チラシ

 ウクライナの映画監督セルゲイ・ロズニツァの作品が世界的に関心を集めています。スターリンの国葬を扱った『国葬』、スターリン時代の見世物裁判の記録『粛清裁判』、第二次世界大戦の遺構をめぐる現代ツアー客を映した『アウステルリッツ』が、《群衆三部作》として2020年秋に日本で公開され、大きな反響を呼びました。

  ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、今年5月に日本で緊急公開された『ドンバス』も、当初一映画館で二週間の公開予定が、すでに全国50もの映画館で拡大公開されています。今後も、『バビ・ヤール』(9月24日公開予定)、『ミスター・ランズベルギス』(12月3日公開予定)と、新作の日本公開が続きます。ロズニツァ監督自身、今年もカンヌ国際映画祭とヴェネツィア国際映画祭でそれぞれ新作を発表。精力的な創作活動は留まるところを知りません。

  今回の桑野塾では、一躍注目の的となったロズニツァ監督と彼の作品について、作品の字幕翻訳者である守屋愛が報告します。また、日本での公開について、配給会社サニーフィルム代表の有田浩介氏が桑野塾のみなさんとの対談に応じます。

●守屋 愛(もりや あい)
映画字幕翻訳者として『ドヴラートフ レニングラードの作家たち』、『国葬』、『粛清裁判』、『インフル病みのペトロフ家』、『ドンバス』などを手がける。
東京大学大学院大学院人文社会系研究科 博士課程出身。現在、慶應義塾大学、お茶の水女子大学、早稲田大学でロシア語非常勤講師。
翻訳書に ゲニス&ワイリ『亡命ロシア料理』(共訳)、ドヴラートフ『かばん』、著書に『ロシア語表現 とことんトレーニング』がある。

●有田 浩介(ありた こうすけ)
サニーフィルム代表。
1979年ヒューストン、テキサス州生まれ。青山学院大学法学部私法学科卒業。
1995年に日本に帰国後、大学では主に国際取引法における知的所有権を学ぶ。大学卒業後、レコード会社の宣伝部に勤め、その後、フリーランスの映画パブリシストとして活動する。2018年に株式会社サニーフィルムを設立し、セルゲイ・ロズニツァ監督作品や『ゲッベルスと私』などの「ホロコースト証言シリーズ」(オーストリアのブラックボックス社)など世界のドキュメンタリー作品の配給を手がける。

 


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